第7話

彼女と別れてから僕も電車に乗り

時間より少し前にイベント会場に到着した。

ファンの人達が20人くらいの列を作っていた

流石にギリギリ過ぎた様だ

スタッフの方がルール等の説明をしているが僕の心はソワソワしていて説明を聞ける状態では無かった。

ただ、1人90秒と言う事だけは理解できた

そして、イベントが始まった。

後ろを振り向いたが僕の後ろには誰も居なく

僕が最後尾だった

20人限定だったのか?分からないけど

90秒は余りに短すぎる

何を伝えたら良いのか、、、

そうこうしている間に僕の順番がきた


「初めましてだよねぇ?イベント来るのぉ?ありがと!」


何かよそよそしい感じを受けた。


さっきの彼女のスタイルとは違いいつも見ている彼女の姿は写真やテレビと違い桁違いに可愛い言葉が出てこなかった。


「緊張してるのかなぁ?大丈夫?時間無くなっちゃうよぉ!」


あっ!

す、す、す

好きです!


時間です!とスタッフが停止を合図した。


僕は振り向き帰ろうとした時、彼女が


「ちょっと待ってぇ!握手くらいしよっ!」


えっ!

いいの?


「勿論だよぉ!今日は、ありがとねぇっ!」


手を出してくれていた

その手を掴み握手をした

その時、彼女が握り方を変え少し力強く握ってきた。


「また、来てねぇ、今度はお喋りしようねぇ!またねぇ!」


うん、また来ます、、、


彼女が小さい声で

「ここから、出たらみてねっ!」


そう、彼女が握り返した時に僕の手のひらに何かが入ってきたのが分かった。

僕は、店を出て少し歩き手のひらに入っていた物を確認した

期待しちゃいけない、、、

何かの演出、、、

参加者全員にやっている事、、、

でも、期待してしまう

恐る恐る、、、

ゆっくり、、、ゆっくり

手を広げた

可愛らしいメモがあった

それを開いて内容を確認する

文章ではなく数字が書いてある

090....

えっ!連絡先?

そんなバカな!

いつ、電話する?

どうしよう!

とりあえずショートメールしてみよう

電話のタイミングなんて分からないし仕事中だったら、、、

でも、、、この仕事をしている期間は、、、

人を好きにならないって言ってたし

どうしたんだろう?

僕は興奮を抑えてメールをした。


今日は、ありがとう御座いました。

楽しい時間でした。

また、イベントが有れば参加したいです。


と、ありきたりな文を打ち送信した。
































  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る