最終話 ソウルメイト
デリバリーサービスを利用して夕食を注文した僕らはリビングのソファに腰掛けていた。
「何処に行っていたの?」
世間話程度の言葉だったのだがソフィは少しだけ苦い表情を浮かべていた。
「言い難かったら…構わないけど…」
先んじて予防線を張る言葉を口にしてテレビのリモコンを手に持った。
ザッピングするようにチャンネルを回して…
「仲間とお別れしてきた」
「仲間…家族みたいな話?」
「そう。ずっとお世話になってきた私の居場所…」
「どうして別れてきたの?戻る気はない?」
「どうしても…。戻る気はない…私はずっとここにいる」
「どうして…?」
「やっと見つけたから…」
「何を?」
「魂の形が一緒の存在を…」
「ソウルメイト的な話?」
「まぁ…そう捉えてくれて構わないよ」
「間違いじゃなければ僕のことを言っているよね?」
「そうね」
「そうか」
僕とソフィはそれだけの短い言葉で何もかもを理解したように…
そこで会話は途切れてしまう。
彼女の正体を僕が知るのは遠い未来での話。
魂で結ばれた僕らの恋愛物語は一先ず幕を引く。
またいつか何処かで…
完
蓋をした想いを十年越しに好きだった人に伝えてみたが…君は既に違う人と幸せに過ごしている。何の因果か帰り道で出会った訳あり女性と同棲することになるなんて…誰が想像しただろうか ALC @AliceCarp
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