第7話再び始まる

「おかえり。用事は済んだの?」


帰宅してきたソフィを出迎えると彼女は少しだけ複雑な表情を浮かべて頷いていた。


「どうかしたの?」


彼女の表情を目にして不思議に思った僕は伺うように問いかけていた。


「うん…えっと…さっき女の人と喋っていなかった…?」


何処か束縛の強い恋人のような言葉を口にするソフィに僕は苦笑の表情を浮かべていたことだろう。


「あぁー…見てたんだ…そうだね。喋っていたよ」


「何処の誰なの?」


「宮藤都って名乗っていたけど。今日始めて知り合った隣人だね」


「えっと…どういうこと?話が見えてこない…」


「買い出しに行こうと思ってマンションの外に出たらたちくらみがして…

それで話しかけられたって感じだね」


「そうだったんだ。恋人とか仲の良い女性ってわけじゃないんだね?」


「そうだね。そんな女性は一人もいないよ」


「そっか…良かった」


ソフィとの会話が一時中断すると僕らは玄関からリビングに向かっていた。

キッチンに向かった僕は冷蔵庫を開けて麦茶を用意していた。

本日も外の気候は暑いため。

熱中症対策のために水分補給を行っていた。

ソフィにも麦茶の入ったコップを手渡す。

感謝の言葉を口にした彼女はコップを受け取って中身を飲み干していた。


「仕事は進んだ?」


話は一気に変わって僕らは世間話をして過ごしている。

彼女の言葉にウンウンと頷いてみせる。

嬉しそうな表情を浮かべているソフィに僕は首を傾げていた。


「どうかした?」


なんとなしに問いかけてみると彼女は首を左右に振って応えていた。

何が嬉しいのか…

僕には本質的な部分で意味が理解できていなかった。

しかしながらそれでもソフィが嬉しそうなのであれば…

そんなことを思って有耶無耶にしてやり過ごすのであった。



リビングのソファで寝転び休憩している僕を見てソフィは心配そうに口を開く。


「大丈夫?買い物は私が行くよ。買ってくるもの教えて」


「いいや…大丈夫だよ」


「大丈夫じゃないでしょ。マンションの前で倒れかけたんだから」


「でも使い走りみたいなことは嫌だから…」


「じゃあデリバリーで頼めば?」


「そうだね。たまには良いかもね」


ソフィの言葉を耳にした僕はスマホを操作してデリバリーサービスで注文をしていた。


「何か食べたいものはある?」


「なんでも良いよ」


その難問の答えを探すように僕は至る所のお店を探し注文を済ませるのであった。



本日の出来事をきっかけに僕とソフィは…


次回、最終回?

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