第2話早朝に初めての二人
ベッドよりかは寝難いソファで早めに目を覚ました僕だった。
起き上がると大きな伸びと欠伸をしてキッチンへと歩き出した。
お湯を沸かしてコーヒーの支度をしながら洗面所で顔を洗っていた。
昨日よりも少しだけ晴れやかな表情に思える自分を少しだけおかしく感じてしまう。
それもこれも生活に一気に彩りが加わったからだと思われる。
昨日出会った人とは思えない程美しい女性のお陰で僕の人生は今までとは180度変化しそうだと簡単に想像できたのだ。
まだ名前すら知りもしない女性に対して抱くような感想ではないのだが…
直感的に僕は彼女と…
そんなことを想像しながら僕は早朝のキッチンでコーヒーの支度を整えたのである。
ホットコーヒーを飲みながらベランダの外の景色を室内から眺めていた。
早朝だと言うのに明らかに外の気温は暑そうだと簡単に想像できる。
エアコンの効いた室内でホットコーヒーを飲むという優雅な早朝を過ごしていると…
「おはよう…ってここは何処で…貴方は?」
彼女はあまり動揺しているようではなく事実を確かめようとしているだけに思える。
「おはようございます。
昨夜マンションの前のベンチで寝転がっている貴女に声を掛けて…」
「あぁー。薄ぼんやり思い出してきた。
お節介にも私のことを助けてくれた人だ」
「そうですね…それで…貴女は?」
苦笑の様な表情を浮かべながら問いかける僕を気にもせずに彼女はソファの上に腰掛けていた。
「私のことは…ひとまずソフィとでも呼んで…
詳しく事情を聞かないでくれたら助かるよ。
それで昨日言った通り…ここに住まわせてくれたら嬉しい…」
ソフィと名乗る彼女の言葉をどうにか受け止めた僕はウンウンと頷いていた。
「ありがとう。私もコーヒー貰っても良い?」
ソフィの言葉に頷いた僕はそのままキッチンへと向かう。
彼女のためにコーヒーを用意するとソファの前の机の上に置く。
「ありがとう。早起きなんだね。仕事前の時間を邪魔しちゃった?」
「いえ。仕事は家で出来るので気にしないでください。
それよりもソフィさんこそ仕事はされているんですか?」
「あぁー。私の仕事ね…まぁ…うん。
大丈夫…ちゃんとしているから…」
彼女は明らかに表情を引きつらせて軽く言葉に詰まりながら答えとは思えないものを口にして何かを濁しているようだった。
「そうですか。朝食はどうしますか?」
「軽いものでいいから…食べたいな…」
「わかりました。じゃあ準備しますね」
「ありがとう…」
僕は普段の朝食を二人前作ると彼女とともに朝食を頂くのであった。
朝食を終えた僕らは歯を磨いて寝癖を整えていた。
ソフィはソファに寝転んでスマホをいじっている。
「夕方にスーパーに行くので…
その時にソフィさんが必要な物を買ってきます。
必要なものはなんですか?」
「あ…えっと…一緒に行くよ…
それとデパートが良いかも…」
「そうですか。わかりました。では僕は仕事をしてきます。
何か困りましたら部屋にいますので」
「うん…何から何までありがとうね」
「いえ。では」
僕とソフィはリビングで別れる。
僕は夕方まで本日の仕事に向かうのであった。
夕方の買い物は次回へ。
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