第3話 「納豆星団」は人跡未踏?


 「す、すごい!いったいどうしたらこんなことが?」


 ハコは、驚愕して言葉を失った。

 その映像は、いわば「色彩の饗宴?」とでもいいたくなる、繚乱たる様相を呈していた。「知性だか意識だかを有した小惑星の群れ」…わかっていたのはそこまでだが、実態はより謎めいた、不可思議な空間なのが、一目でわかった。


 抽象画家の、カンディンスキーとか、シャガールとかの不思議な色使い、あるいは錦絵とか?…そうしたこの世のものならぬ極彩色の、光と色の織りなす小宇宙。印象としては不気味で、寧ろ悪夢のような色彩地獄?が展開していたのだ!


 そうして、ぐにゃぐにゃうねうねと、その虹の竜のはらわたのような「星団」は蠢いていて、非常に美しくも見えるのだが、やはりなにか嘔吐を催すようなおぞましさが、ニュアンスとして透けて見えるのだった…ハコには、それがなぜかは分からなかったが。


 「納豆にパステルカラーの蛍光塗料を36色ぜんぶぶちまけて、ぐじゃぐじゃにかきまぜたってところね!近寄らないほうが無難なのは一目瞭然だけど…(笑)探索して調査報告の任務を果たさないと地球に帰れないしね…ぼちぼち様子を見ながら進めていくか」独り言ちた。


 <続く>

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