第7話 やり過ぎ注意
「……先生」
「いや……うんごめん」
頭を擦りながら俺に敵意の目を向けてくる原笑の視線に合わせずらく俺は下を向いていた。
あの後俺は割れる寸前までやってしまい、ゴキっと音が聞こえる……幻聴がし、やっと離せた。
いや、ぶっちゃけるとあのままだったら本当に割っていたかもしれん。
まぁそんときはギャグ小説だし、中の人がなんとか
(おいこらいい加減にしろ?)
おっと、天の
とまぁさておき。
「まぁ、良いでしょう……頭割れなかったので」
「そ、そっか……で、要件は何かな?」
そう呟くと注いだコーヒーを飲み込む。
少しして、ずっと原笑が話さないため、ちらっと見てみると、俺のコーヒーをヨダレ垂らしながら見つめていたのだ。
なんだコイツ……飲みたいのか?
「生憎だが、編集者に出す飲みもんは無いぞ?」
「嬉しっすねぇ私の事を編集者として認めてくれてるんスねぇ〜それが知れただけで潤いました」
「……さっさと要件言って帰れ……なんか出すからそれまでに用意しやがれ」
全く……こいつのこういう所は調子が狂ってるヤになるぜ。
俺は原笑に用意していた好物のメロンソーダを持っていく。
「さっすがァー!先生は編集者の事も把握してて素敵っス!」
「……うっさいさっさと飲め」
「はいはーい!」
そう元気よく言うと、フタを外し、飲み込む。
いつも鬱陶しいと思うが……こう黙っているとこいつが女で可愛いって思うんだよなぁ……まぁ性格か。
性格が悪すぎると負けヒロインになりやすいし……。
と、俺は何考えてるんだか。
まぁ、これ以上顔とか傷増えたら女子としてまずいし……手は上げないどこうかな。
「所で先生」
「?」
「私が来るの知っててこれ用意してたんスかぁ?」
「先生もしかして……私の事好きっスかぁ?」
嗚呼……なんだろう……今すぐこいつの顔面を殴りつけてぇこのニヤケズラを……締めなくちゃァァ。
マジで殴りつける寸前で我に返ると、ゆっくりコーヒーを飲みほす。
「……バカ《原笑》……要件はなんだ?」
「あ、そうそう……要件はですね〜まず単刀直入で」
「先生……1回小説の連載を休止しませんか?」
「……は?何言ってんだ!」
そんな事したら、俺の小説は忘れられちまうだろ!……そんな事出来るわけ。
「先生」
「ッ!」
いつもと違う声色がし、ゆっくりと原笑の方を見る。
すると、いつもニカニカとしていた表情が、真面目な表情になっており、本気の提案らしい。
俺は一旦立ち上がったが、椅子に座り直す事にした。
「先生が考えてる事は分かるっす……忘れられちまうのか……それは有り得ません」
「実質先生の作品は面白いし、よくかけてます……」
「……でも、先生は地の文が弱い」
「弱い?」
「はい……先生の地の文は確かによくかけてます状況がよく分かり、まるでその場を体験しているみたいに……ですが……キャラの様子とかがうまくかけてなく物語に入り込めなくなっています」
それは薄々俺も気づいていた。
コメントでもそう言うのが乗るようにはなっていた。
だが……オレにそれは無理だ。
「……まぁ先生が人付き合いが苦手なチェリーボーイって事は知ってますよ」
「おいコラ誰がチェリーボーイだって?」
間違っては無いが、心外だ。
「まぁそこは置いておいて……そこで小説をやめ、他の仕事しませんか?」
「……まぁ一応聞いておく」
そういうと、見ていないが、原笑が微笑えんでるような気がする。
「えっとですね……実はある漫画家さんから依頼があり、漫画を劇にするにあたって脚本して欲しいと」
「え?……脚本……俺経験ないけど」
「まぁ、そうですね……けど小説と同じで文字書くだけですから」
コイツ……何言ってんだ?
脚本は小説とは似ても似つかないだろ。
「……まぁ、一応提案なので……受けたくなったら、連絡してください」
その後、原笑は原案の漫画を置いて帰っていく。
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