第2話スラスラスランプ

「……書けねぇ!!」


 数時間自宅にて、机と睨めっこしていたのだが、考えすぎて頭がポップコーンが焼けるほど熱くなっていた。

 月神ソラの配信を見て……2日経った。

 あれから毎日配信されており、俺は入り浸るぐらい見続けていた。

 これは原笑に感謝しなくちゃなぁ〜……って思ってた数時間前の俺の気持ちを返せ!!!。

 俺は思いっきり頭を掻きむしり、すぐ後ろにあったソファに3回転し、倒れ込み、ふて寝してやろうと思った。

 さて問題です。

 俺はどうしてこんなにも苦しんでいるのか?




 正解は2時間前になる。


 夜遅くまで月神ソラの配信を見続けていた俺は、寝不足気味だった。

 それは今日もだ。

 これで合わせて二徹なのだ。

 連続で配信をすると予定表に書かれていた為、全部見てしまった……流石にバカだなっと思った。

 そんな事をした今日の5時頃だ。

 カーテンを開けたら朝日が登り始めていた。

 俺は朝日を浴びると、次の配信をチェックする。

 予定には今日の配信はないと書いてあり、俺はソッと胸をなでおろし、睡眠が取れる事を泣きながら感謝した。

 実際は泣いてないが……まぁ気を取り直して。

 その後俺は睡眠という悪魔を解き放つ為、ベット兼ソファに横になろうとした。

 その時だった。

 俺の仕事用スマホから1件の電話がかかってきた。

 寝ようとしてた為、ふざけんなよっと言う気持ちを込めて、出る。


「はい、もしもーー」

「おっはようございます!!!狂歌きょうか先生!!」


 おっわぁ……朝から元気な原笑バカからの電話だった。

 俺はそっと電話を閉じおうとした。


「あ、先生〜?眠いからって〜無言で閉じるとか無しっスからね?もし閉じたら凸りますからね〜」

「……なんだよ、まだ朝の5時だぞ?」


 俺は、朝のコール《無自覚な脅し》に屈指、会話を続行した。

 このテンションで家に凸られたらこっちが死んじまうよ。


「あ、先生!まずはおはようございます!!」

「はいはい、おはようおはよう」

「先生〜?はい、は1回だし!おはようは1回でいいんですよ!」

「そっかそっか、じゃ俺からも朝っぱらからデケェ声出すんじゃねぇよ」


 そう呟くと、電話の向こうで、爆笑してる原笑バカの声が聞こえ、俺はソッと出てきた鉄槌右拳を制止する。


「あ〜よく笑ったぁ」

「おぉそれは良かった良かった……で要件は?」

「あ、そうそう……編集長から連絡なんですが」


 数分間爆笑していた原笑だったが、やっと笑いが止まり、元々電話してきた要件を話し出す。


「新刊今日仕上げてね〜だそうです!では!」

「あいあい……え?は!?ちょ待て!」


 俺の静止を振り切り、原笑は電話をひとりでに切っていった。

 その時……俺の中で何かが壊れる音が聞こえた。




 とまぁこうなり、さっきの発狂に戻る。

 そして俺は眠りにつこうとするが、日が昇ったばかりな為眠気なぞ来る訳もなく。

 だが、日が昇ったと言うのに、アラームがずっとなり続けていた。

 アラームは俺の好きなアニメのOPだったりとコロコロ変えている。

 なぜ変えるかって?、飽きるんだよ……。

 よく居るんだよ、「俺ってぇ〜この曲〜ずっと聴いてられるんだよねぇ〜」って……あえて言おう。


 そいつはカスであると!!!!。


 ずっとなんて聞いてられる訳ないだろ?!バカなのか!そんなに聞いてたらノイローゼ通り越して病むわ!!。

 俺はそれを気にせず寝てやろうと掛け布団に潜り込む。

 すると今度は別のアニメ曲のサビが流れ始め、部屋の中にアニメの合唱不幸せの不協和音が奏始める。


「って、うっせんだよさっきからあなたがいないと生きていけないだァ!!人間寂しくても生きていけるんだよォ!!」


 俺はその不協和音を切るため、ソファから飛び起きると、机に置いてあった携帯を取ると、アラームを消そうとする。


「あ?!」


 しかしそれはアラームではなく、原稿を催促してくる編集長と原笑だった。

 俺はそっとスマホを元に戻す。

 そして、息を整える。

 そして息を大きく吸い込むと、スマホを持ち、応答ボタンを押すと同時にさっきの恨みを声に乗せて。


「うっせんだよ!!寝かせろやぁ!!」

「……狂歌くん……数分後会社に来なさい」


 俺はてっきり原笑を押したのだと思っていたが、その声は……編集長だった。

 どうやら俺は……神に見くびられたらしい。

 俺は悟りを開いたブッタの如く、顔もブッタ顔になる。

 そして俺は、声が掻き消えそうな音量で。


「……うっす」


 と呟いた。

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