75話 真理とお家デート

 真理の家に泊まってから4日が経った。


 愛に話を聞いたのだが、どうやら神谷の両親との話し合いは余り良い結果では無かったらしい。

 解決策も見つからずどうにもなりそうにないと……


 愛たちは可能であれば話し合う事も視野に入れてるって言っていたが、そんな事をしても何も変わらないだろう……ていうか危険だからやめて貰った。

 いくら神宮寺家の庇護下にあったとしても危険なめに合わせる訳にはいかない。


「そろそろ来る頃だな……」


 一昨日は愛とデートに行って来て、今日は真理とデートの日だ。

 と言っても真理のご希望によりお家デートとなった。


 (ピーンポーン)


 真理が来たな。



「こんにちは悪琉さん!」

「あぁ、こんにちは、今日は楽しもうな」

「はい♪」

「それじゃ、入ってくれ」

「お邪魔します!」


 俺は真理を部屋まで連れて行った。


「それじゃあ、何からする?」

「そうですね……以前一緒にゲームをしようと約束していたのでゲームでもしましょうか」

「そうだな、それじゃあ……この対戦ゲームでもやるか?」

「いいですね!私もこのゲームは少しですが遊んだ事ありますし」

「じゃあ、やろうか」


 そうして俺達は対戦ゲームを始めた。


「おっ、意外と上手いな」

「ゲーム自体は割と得意ですからね」

「手加減をしようとしたが止めるぞ」

「勿論です、手加減なんていりませんよ」


 暫くゲームを続けて9勝1敗だった。


「少ししか遊んだことないのにスゲー上手いな……」

「たまたまですよたまたま」

「そんな事無いと思うけどな……次はこのレースゲームはどうだ」

「やりましょう!」


 その後俺と真理は数タイトルのゲームを時間を忘れてやっていた。


「あっ、もう19時じゃん……」

「本当ですね……時間を忘れてました」

「そうだな、楽し過ぎたからな……そうだ夜ご飯作らないと……」

「悪琉さんの手料理は初めてなので楽しみです!」

「それじゃあ、ちょっと待ってくれ」

「分かりました!楽しみにしてます」



 俺と真理はご飯を食べ終わり、部屋で駄弁っていた。


「悪琉さん!凄く美味しかったですよ!」

「真理は良くシェフに作って貰っているんだろ?流石にそれには勝てないけどな」

「いやいや、そんな事無いですよ!本当に美味しかったです!!」

「ははは、そっか、ありがとうな」

「こちらこそ、ありがとうございました」

「そういえば悪琉さん」

「なんだ?」

「幸ったら悪琉さんの事を凄く気に入ったらしく、次はいつ遊びに来るの?って何回も言ってくるんですよ」


 そんなに気に入ってくれたのか、それは嬉しいな。


「それじゃあ、定期的に幸ちゃんにも会いに行かないとな」

「すいません、ありがとうございます」

「いやいいって、俺も幸ちゃんと遊ぶのは楽しいしな」

「幸も喜ぶと思いますから、お願いしますね」

「あぁ」

「そうだ、悪琉さん、これは真剣な話なんですけど……」


 真理は真剣な表情でそう言った。


「どうした?」

「私は将来的にお父さんに会社を一つ譲り受ける事になっているんですけど……もしよかったら悪琉さんも一緒に働きませんか?」


 随分と急な話だな……

 経営に関しては前世でも軽くしか勉強したないから余り詳しく無いんだよな……

 大学で学べば良いんだけど、そんな甘く無いだろうしな……


「んーでも俺ってそっちの知識は余り無いぞ?」

「大丈夫です!私も皆と一緒の大学に行こうと思っていますし、私と一緒にそこで勉強をしましょう!私も教えますし!」

「でも良いのか?正和さんは許してくれるのか?」

「はい!寧ろこれはお父さんの案なんですよ!悪琉さんの学校での成績も知っていますし!!」

 

 凄いわくわくした表情だな……

 それなら特にやりたい事とかも決まっていなかったし良い機会かもな……


「ならチャレンジしてみようかな」

「本当ですか!ありがとうございます!」


 真理はそう言って抱き着いて来た。


「今日はテンション高いな」

「はい!だって今日はずっと楽しいんですもん!」

「そうかだな、俺も凄く楽しいよ」

「勉強も頑張りましょうね♪」

「あぁ、頑張るよ」


 その後少し間を開けてから真理が口を開いた。


「悪琉さん……」


 その瞬間俺は押し倒された。

 真理の顔が近くて良く見える。

 顔が赤くなっているが、しっかりと俺の目を見つめている。


「凄い積極的だな、真理は」

「はい……恥ずかしいですけど、この前からずっと我慢してましたので」

「先に風呂は行かなくて良いのか?」

「良いです……このままで……」

「そっか、ならそうしようか」


 俺はそのまま真理の唇にキスをした。

 舌も交えて数分間キスをし続けた。


「真理……ベッドに行こうか……」

「は、はい……」


 そう言う真理の顔は凄く火照っていた。



「ふわぁー」


 朝起きると真理はまだ寝ていた。

 

 普段は大人っぽいのに寝ている姿は凄く可愛らしいな……

 

「うーん、あっ、おはようございます悪琉さん♪」


 俺が暫くの間真理の顔を眺めていると真理が目覚めた。


 真理は起き上がったと思えば、全裸のまま抱き着いて来た。


「悪琉さん……私凄く幸せです……」

「俺もだぞ」

「悪琉さんがいて春香ちゃん、愛ちゃん、沙羅ちゃん、香織さん、私からしたら全員の事が大好きですし……」

「それは良かったよ……皆が仲良くしてくれて凄く嬉しいし」

「これも全部悪琉さんのおかげですよ……悪琉さんが皆と私を繋いでくれたんですから……」


 凄く嬉しい事を言ってくれてるんだけどさ……

 流石に全裸で抱き合ってる状態だぞ?

 流石に反応しちゃうだろ……


「なぁ、真理」

「なんですか」


 真理はそう言って俺の胸に埋めていた顔を上目遣いでこちらに向けて来た。


「流石にな……裸でこんな距離だとな……」

「あっ……」


 真理は何かに気付いたかのように目線を落とした。


「これじゃ……しんどそうですね……」

「あ、あぁ、だから一回離れよっか……」


 俺がそう言うと真理が目線をこちらに戻した。

 そして真理は凄い笑顔でこう言って来た。


「起きたばかりですけど……もう一回しましょうか♪」


 そんな事を言われた俺は流石に我慢出来なかったので再びベッドの上で抱き合った。



 俺と真理はスッキリして風呂を上がった後で話していた。


「もう……昼だな……」

「そうですね……少し張り切り過ぎましたね……お互いに」

「すまん。止まれなくなったよ……」

「私もですから……大丈夫ですよ」

「体は大丈夫か……初めてだったのに朝も続けてやっちゃったし……」

「はい……違和感は凄いですね……でも特に問題はなさそうです」


 流石にお互い張り切り過ぎて、終わってから少し気恥ずかしくなっていた。

 

 少し無言が続いて、お互いに落ち着いた所で俺が話した。


「昼ご飯どうする?真理」

「そうですね、どこかに食べに行きましょうか」

「そうだな……とりあえず外に出ようか」

「はい!」


 俺達はその後外で楽しくご飯を食べて解散した。

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