59話 相沢沙羅の気持ち

★相沢沙羅(side)


 昨夜は間違いなく15年の人生で一番幸せな時間になりました。


 私は悪琉君と付き合う前から悪琉君の事が好きで、恥ずかしいけど悪琉君と色々な事をしたいと思っていた。

 春香ちゃんに悪琉君とエッチな事をしたと聞いた時から、深くは考えなかったけど私もエッチな事もしてみたいと心の中では思っていた。


 悪琉君と付き合い始めてからはその気持ちが大きくなり、春香ちゃんに相談をもしていたし……

 春香ちゃんにアドバイスを貰っても結局行動に移せないでいたけど、悪琉君とデートをする事になり、今日こそはと意気込んでデートに向かいました。


 でもいざ悪琉君と会うとその事を考えると尚更緊張してしまっていた。

 その日は好きなアニメのコラボカフェに悪琉君と一緒に行けるのでそれもあり笑顔をキープ出来ていたと思う……

 普段だったら絶対に顔が赤くなっていたでしょう……


 歩いている途中、私の手を悪琉君が自然と握って来て、私はその瞬間ドキってなり体が動いた。

 びっくりしたけど、直ぐに嬉しくなって悪琉君の手を握り返しました。


 カフェに着いて、悪琉君とはアニメの話で凄く盛り上がってとても楽しかった。

 今まで趣味のアニメを語り会える人が居なかったので凄く嬉しかった。

 私が悪琉君の事が好きになった理由はそういう所もあるのだろう。


 それから、ちょっと不快な2人組からも守ってくれた。

 悪琉君はその時、私の事を俺の女と言ってくれた。

 その瞬間私の胸が凄くキュンキュンしました。

 悪琉君と居れば居るほど好きが大きくなっていると思います。


 その後も、私を守るのは当たり前って言ってくれたり、悪琉君は悪く無いからお店の人も笑顔で大丈夫ですよって言ってくれていたけど、お店の人にちゃんと謝ったりと凄く紳士的な一面もあります。


 その後ゲームセンターでマリモカートで遊んだ時、私に負けて悔しそうにしていた。

 そんな可愛い一面もあります。

 そしてクレーンゲームで私が可愛いと思ったぬいぐるみを取ってくれた。

 私は凄く嬉しく一生大切にしようと思いました。


 その後ファミレスで食事をした後、お別れの時間になったのですが私は、今日こそは誘ってみようと思っていたのに、やっぱりまだ勇気が足りませんでした。


 そんな時、真剣な顔をした悪琉君の方から泊まらないかと言われました。

 私はびっくりして一瞬固まってしまったけど、直ぐに恥ずかしくなりました。

 それでも悪琉君の方から誘われて、凄く嬉しかった。

 

 私は良いよ、と返事をして悪琉君の事を見た。

 その時の私はとても気分がスッキリしていました。


 春香ちゃんと悪琉君みたいにもっと仲良くなりたい……

 だけど勇気が出ない……そんな感情で日々を過ごしていたからだ……


 悪琉君の家に向かっている途中手を繋いで無言で歩いていましたが、そんな無言すらも凄く心地良く感じた。


 悪琉君の部屋に上がり私は凄く緊張し始めました。

 お風呂の中でもずっとドキドキが止まらず、何とか落ち着かせようと頑張っていた。


 少し落ち着いたのでお風呂から出たら、悪琉君の服が置いてあった。

 身長差が30cm位あるので凄くぶかぶかでした。

 服からは悪琉君の匂いが凄くて、折角落ち着かせたのにまたドキドキして来て体が暑くなった。


 悪琉君が待っているのでいつまでもゆっくりしている訳にも行かなかったので、そのまま悪琉君の部屋に戻りました。

 自分でも顔が赤くなっているのが分かっていたので少し悪琉君と話す時に、ぎこちなくなってしまいました。

 でもその時の悪琉君は私の胸を見て顔を少し赤くしていた。

 他の男性に見られたら嫌な気分になりますけど、悪琉君に見られるのは全然嫌じゃなかった。

 なんなら意識してくれていて嬉しいと思った。


 悪琉君が部屋に戻って来て、私の隣に座って来た。

 これからする事を想像したら、心臓が破裂しそうな位ドキドキしていた……

 悪琉君はそんな私を見て、無理していると感じたのでしょう……

 無理しなくても良い、と言おうとしていました。


 でも私は全然無理なんかしていないし、今日を逃したら次は凄く遠い日になるだろうと感じていた。

 なので私は居ても立っても居られなくて、気付いたら悪琉君にキスをしていました。


 恥ずかしかったけど、私の想いを伝えた。


 そうしたら悪琉君は分かったと言って凄く優しい顔でリードてくれた。



 私は朝起きて凄い気分だった。

 凄く嬉しい、凄く恥ずかしい……そんな気持ちだった。


 私はしっかりと覚えているんです……最初は悪琉君が優しくリードしてくれていたんです……

 でも私は後半からは自分でもびっくりする位に、私から動いていました。

 悪琉君とやっと一つになれた事が嬉し過ぎて気分が凄く昂っていたからかな……

 

 私の恥ずかしい所を全て見られたので凄く恥ずかしかった。

 とはいえ、それ以上に嬉しくて、とても幸せでした。


 私は1階に降りて恐る恐る悪琉君の所に行きました。


 そうしたら悪琉君が朝ご飯を作っていてくれていた。

 私は照れくさくてきょどった返事をしてしまった。

 悪琉君はそんな私を見て揶揄って来ました。

 恥ずかしかったけど、悪琉君が気遣ってそう言って来たって伝わっていたので、恥ずかしい気持ちが不思議と消えていた。

 

 その後悪琉君と食事をしながら会話をしていたのですが、いつも以上に仲良くなれていた気がした。


 朝食を食べ終えて悪琉君の部屋でゆっくりしていたのだが、悪琉君は自分の見た目が不良っぽい事を気にしていた。

 そんな事は今の私からしたらどうでも良かった。

 悪琉君の黒髪は少し見てみたい気持ちもあるけど、やっぱり悪琉君は悪琉君がしたいようにして欲しい。


 悪琉君と話していたら甘えたくなったので悪琉君の胸に頭をくっつけて座った。

 悪琉君と一緒に居ると凄く心地良い、それに一晩一緒に居て肌も重ね合わせてお互いの事を全て知ったからなのか、悪琉君とイチャイチャしても恥ずかしくなくなっていた。

 他の人が居ても大丈夫かと言われたら少し恥ずかしですけど……


 その後悪琉君と向き合って唇を合わせた。

 私はこの日の幸せを一生忘れないでしょう。

 そしてこれからも悪琉君と皆と幸せになろうと思いました。

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