34話 春香と悪琉

※ここはゲームの世界なので高校生同士ならラブホに行っても大丈夫な世界です※


「なぁ、春香?先にコンビニによって良いか?」

「大丈夫だけど、何か買うの?」

「えっと、そのアレだ…ゴムだ」


 俺がそう言うと春香は頬を赤くして聞いて来た。


「それって、ホテルにもあるんじゃないの?」

「いやな、ホテルに置いてあるのは信用できないんだよな」


 俺はそう言ったけど実はもう一つ理由があるが伝えづらいので黙っておく事にした。

 流石にホテルにあるゴムの大きさが合わないなんて言えないしな。


「ふーん、良く分かんないけど悪琉がそう言うならそうなのね、ならコンビニに行こっか♪」


 先ほどまでは恥ずかしそうにしてたのが嘘の様ににっこりしてそう言って来た。

 春香には外で待ってもらって俺はコンビニに入りゴムを買った。


「じゃあ、行くか」

「うん!!」


 そうして俺たちは恋人繋ぎをしながらホテル入った。

 ホテルに入り個室に着いた。

 春香はキョロキョロ回りを見渡していた。


「春香先にシャワー浴びてきていいぞ」

「う、うん、分かった」


 春香は少し恥ずかしそうにそう答えた。


「ふぅー、遂にこの日が来たか」


 勿論俺は前世と佐野悪琉と共に経験は多い方だ。

 それでも今日ほどドキドキしていた事は無かった。

 正直に言うと俺は、春香の前だから余裕ぶってるけど実は結構緊張していた。


 春香が風呂から出て来た。


「悪琉あがったよ」

「あぁ、じゃあ俺も入るから少し待っててくれ」

「うん♪」


 俺はシャワーを浴びて浴室を後にした。


 ベッドのうえで春香はタオル1枚だけを巻いて待っていた。


「おまたせ春香」

「うん!」


 俺は春香の隣に座った。


「なぁ春香」

「どうしたの?」

「今更何言ってんだって感じだけど本当にいいのか?今日付き合い始めたばっかりだけど」

「さっきも言ったでしょ、私はずっと待ってたってね」

「そっか」


 その後俺は春香にキスをしてそのまま押し倒した。



「ふぁー」


 いつの間にか眠ってたな。

 俺は朝起きて隣を見たら裸で寝ている春香がいた。


「ふふ、気持ち良さそうに寝てるな」


 おれは春香の寝顔を眺めた後シャワーを浴びにいった。


「それにしても大丈夫だったかな春香」


 春香は初めてだから優しくしてたのだが少し心配だった。

 俺がシャワーを浴びて部屋に戻ると春香が起きていた。


「おはよう、春香」

「あっ、おはよう悪琉!」

「シャワー浴びるか?」

「うん!行って来るね!」

「あぁ」


 そう言って春香はシャワーを浴びに行ったけど少しふらふらしていたな。

 やっぱり少し無理させちゃったかな。

 俺はそんな事を考えながら春香が上がってくるのを待った。


「悪琉ーあがったよー」


 春香は風呂を上がり俺の隣に座って来て肩に顔を預けて来た。


「春香、昨夜は大丈夫だったか?」

「うん、まだちょっと違和感?みたいなのはあるけど大丈夫だよ♪」

「そっか、少し無理させちゃったみたいだな」

「ううん、そんな事ないよ私も気持ち良かったし嬉しかったよ♪」

「なら良かったよ」

「次からは私も積極的に行くから覚悟してね♪」

「お手柔らかにな」


「にしても悪琉って性欲凄いんだね」

「え?」

「だって昨日手加減してくれてるとは言えあんなに何回もするとは思って無かったもん」

「まぁ、確かに結構強い方なのかもな」

「体力には自信あったのに凄く疲れたもん!」

「俺も体力には自信あるからな、勿論夜の体力もな」


 俺は冗談交じりにそう言った。


「もぉー、いずれは私が勝つんだからね!!」

「あぁ、ゆっくりでいいからな、その日が来るのを楽しみにしてるよ」

「絶対そんな日は来ないって思ってるでしょ!!」

「そんな事は無いが…まぁ、ベッドの上では負ける気は無いな」

「ふんっ待ってなさいよ!!」


 春香は頬っぺたをぷくっと膨らませてそう言った。


 その後俺たちはホテルを後にして歩いていた。


「そう言えば春香って今日は午後から用事あるって言ってたよな?今11時だけど大丈夫か?」

「うん!全然大丈夫だよ♪」

「そっか、じゃあ朝ごはんだけ食べて家まで送るよ」

「ありがとう、悪琉♪」

「何か食べたい物あるか?」

「うーん、昨日はかなり体力使ってお腹すいてるしがっつり食べたいかも!」

「いいぞ、じゃあラーメンとかステーキとかか?」

「ラーメンが良い!」


 そう言って俺たちはラーメンを食べた。


「よし!じゃあ帰るか」

「うん!」


 そうして俺は春香を家まで送った。


「じゃ、また明日学校でな」

「うん!昨日は本当に楽しかったよ♪」

「あぁ、俺もだぞ」

「それじゃあまた明日ね♪」


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★神谷 傑(side)


「はぁー、久しぶりにカラオケやボウリングに行って遊びまくって疲れたな」


 最近イライラする事ばかりだったけど少しストレス解消出来たな。

 大体なんで愛たちは佐野と仲良くなったんだよ。

 今思えば俺の知らない所でいつの間にか仲良くなってたな…

 もしかしたら佐野は俺が3人の近くに居ない所を狙って接近したのか…


「あー、駄目だ考えるだけでイライラする」


 折角気分が良かったのに最悪だ。

 取り敢えず今はそんな事は忘れて、コンビニでゲームのお供にお菓子でも買うか。

 

 傑がコンビニの前に着いたら春香がいた。


「ん?あれは春香か?何でコンビニの前で1人でいるんだ?」


 俺が春香に話しかけようとしたら佐野が何かを買って来たのか、袋を持ってコンビニから出て来た。


「何で佐野が?春香は佐野を待ってたのか?」


 そんな事を考えていたら春香と佐野が恋人繋ぎで歩いて行った。

 

「こんな時間に2人で恋人繋ぎまでしてどこに行こうとしてるんだ」


 俺はそう思い恐る恐る付いていく事にした。

 春香と佐野は楽しそうに歩いている。

 俺は嫌な予感がしていた、こんな時間に男女2人でどこかに行く。

 しかも春香の家とは違う方向にむかっている。


 そんな事を考えていたらホテル前に来た。


「まさか!!!!」


 俺の嫌な予想は的中した。

 春香と佐野がラブホへ入って行った。


「どうしてだ!!春香!!」


 俺はショックでその場に膝を着いた。

 

「春香はいつから…あいつはもう処女じゃ無いのか…」


 俺は猛烈に吐き気がした。

 体全体の力が抜けて寒気が凄かった。

 

「大体なんで春香が佐野と…佐野と春香が話し始めてからたったの3ヶ月位だろ!!」


「いや、待てよ」


 そう考えると違和感がある。

 流石に関係が進むのが早すぎないか?

 余程特別な事が無い限りこんな短期間で体の関係になるなんて事は、処女の春香には性格的にも難しいはず…

 それに春香も嫌がっている様には見えなかった。

 どう考えてもおかしい。


「もしかしたら!!!春香はそもそも既に処女じゃ無かった?」


 そう考えた方が理解できる。

 高校に入ったばかりの頃は春香と佐野は全くの無関係だった。

 て事は中学生の頃には既に…


「クソッッ誰だ!!!」


 サッカー部のイケメン部長か?それともヤリチンで有名なチャラい先輩か?

 思い返してみれば春香にアタックしていた人は多すぎる。

 

「あの中の何人とヤッていたんだ!!!あの時は全くそいつらに興味ないような雰囲気を出していたくせに!!!」


 裏ではそんな関係だったのか。

 

「いや、でもそう考えると思ったよりも整理がつくな」

 

 愛や沙羅とさえ結婚出来ればその時は春香も貰ってやってもいい。

 ヤリマンだとしても見た目だけは良いから割り切って考えたらそこまで悪くないなと感じた。


 俺は絶望していたが思ったよりも早く立ち直れた。

 佐野が初めての相手なら立ち直れなかっただろうが、春香がビッチだと分かれば大した事なかった。

 でも何処か心にポッカリ穴が開いたような感覚だった。

 

 俺はふらふらとおぼつかない歩き方をしながら家に帰った。



 傑は余りの衝撃でまともな思考が出来ていなかった。

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