22話 変わるきっかけ
警察に連絡して、事情聴取を受けた。
俺と沙羅、キララで説明した。
一応嵐のカメラロールにあった動画の話を説明した。
睡眠薬の成分が出て来た事もありあっさり信じてくれて、解放された。
キララとその彼氏にお礼をされて、そのまま解散になった。
俺は沙羅と2人になったので、帰りながら話していた。
「まさか、こんな事になるなんてな」
「うん、佐野君良く気付いたね」
「あぁ、気づけて良かったよ」
「て言うか、佐野君がアラヤ君だったなんて、びっくりだよ」
「俺だって相沢がアサでまじでびびったぞ」
「佐野君って話せば話すほどイメージと違うね、勿論いい意味でね」
「そうか?」
「うん、ゲーム好きだし、思ったより漫画の話とかも出来たしね」
「どっちも軽い趣味程度ではあるけどな、まぁ相沢と話すのは楽しかったぞ」
俺がそう言うと、沙羅の顔が赤くなった。
「わ、私も楽しかったよ…」
「そっか、なら良かったよ、でさ、相沢さえ良ければこれからも一緒に遊ぼうぜ」
「え、え?あ、うんいいよ、私も遊びたい」
沙羅は驚きながらも嬉しそうな表情でそう言った。
「ちなみにクランはどうする?流石に抜けとくか?」
「うんそうだね、元々一緒にゲーム出来る人が欲しくて入っただけだし、私は抜けるつもりだよ、もうオフ会とか絶対に参加したくないしね」
「んじゃ、抜けるか、沙羅もキララもいるしな、それだけで別にいいからな」
「ふふふ、」
「ん?どうした?」
「身近な人でゲームを一緒に出来る人なんて居なかったから、ちょっと嬉しいなって思ってね」
相沢が笑顔でそう言って来た、その笑顔は俺が今まで見て来た中では間違いなく、相沢の1番の笑顔だった。
「なぁ、相沢?」
「なに?」
「折角だしLIME交換しようぜ」
「あっそう言えばしてなかったね、いいよ」
「ありがとな」
「LIMEで思い出したけど、佐野君キララさんとLIME交換するの早すぎませんか?」
沙羅はジト目でそう言って来た。
「はは、ま、まぁそのおかげで助かったんだからいいだろ」
「まぁ、そうですね」
家に着き夜になり、LIMEが鳴った。
『佐野君今日は改めてありがとうございます』
『いや、いいよ、相沢に何も無くて良かったよ』
『えっと、また遊んでくれるんですよね?』
『あぁ、当たり前だろ?てかもっと砕けた喋り方でいいって、ゲームしてる時みたいにさ』
『あれは佐野君だと分かって無かったからだよ!リアルの友達にあんな気安くするなんて出来ないよ』
『そうなのか?じゃ、俺で練習しようよ』
『え?』
『だからさ学校とかでもゲーム中でもさ少しづつで良いから慣れていこーぜ』
『いいの?』
『いいも何も俺的にはため口で話して欲しいくらいなんだからいいに決まってるだろ?目標はアラヤの時の俺と同じ風に話す事だな』
『ありがとう、頑張るね』
「ふぅ~、疲れた~」
今日は常に気を張っていたら想像以上にに疲れたな。
まぁ、沙羅を救えたから良かったな。
今日は早めに寝るか。
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★相沢 沙羅(side)
私はゲームが好きで一緒に遊べる人が欲しくて、初めてクランと言うものに入ってみた。
何人かの人とプレイしたけど、話しやすいのが、嵐さんとアラヤ君とキララさんだった。
嵐さんは何回かクランメンバーの交流を深めようと言う事でオフ会を開いていた。
勿論私も誘われていたけど、余り気が乗らず毎回断っていた。
しかし、今回は嵐さんの押しが強かったのと、キララさんが参加するとの事だった。
キララさんはアラヤ君と同じ位の時期にクランに入ったのでオフ会は初参加だったし、ずっと会いたいと言ってくれていたので参加を決めた。
私は待ち合わせ場所に着いたら3人の女性がいた。
その中で1人目立つ人がいた、金髪で身長が高い女性だった。
どうやらその人がキララさんだったらしい。
キララさんは話してみたら凄く優しくて、会って間もないけど直ぐに心を開いていた。
私達がカラオケルームで話していたら、ノックの音が聞こえた。
扉が開いたら、チャラそうな男2人が入って来たと思ったら、その後ろに知ってる顔の人がいた。
私が名前を呼びそうになったら佐野君が自分の唇に人差し指を当てたので、名前を呼ばずに済んだ。
初めは動揺したものの、思ったより楽しくて時間がどんどん過ぎていた。
男子メンバーが隣の部屋に顔を出すといって出て行った。
私がキララさんに話しかけようとした時。
キララさんのスマホが鳴った。
スマホを見たキララさんの顔が怯えた様な表情になった。
「どうしました?キララさん」
私がそう尋ねたらスマホを見せて来た。
それは誰かとのLIMEのトーク画面だった、名前をみたらアラヤ君つまり佐野君だった。
私はトークの内容に目を向けつつ、LIME交換するの早過ぎるんじゃ…とか思ってたけど、文章を読んでそんな考えは直ぐに消えていた。
『嵐たちが2人の飲み物に何か入れてました、恐らく睡眠薬の類だと思います、飲んだ振りをして寝たふりをしてください、出来たらカメラを設置して証拠を撮ってください、後触れられそうになったら滅茶苦茶大声出してください』
そう書いてあった。
「これって、ホントなのかな……」
「わ、分かりませんが、アラヤ君がこんな嘘つく意味は無いんじゃ……」
「と、取り敢えず言う通りにしてみようか……」
そう言って私とキララさんはお互いの目を見て頷いて、撮影の準備をして。
私達が寝たふりをしてた時、嵐さんともう1人の男が入って来た。
そこで信じられない会話をしていた。
「今回はまじで大当たりだな」
「でもいいのかこっちの子、高校生だろ」
「大丈夫だろ、どうせ足付かない様にしてるんだからさ」
「まぁ。それもそうか」
「てかこいつ彼氏持ちだからちょっとだけ面倒くさいな、まぁ、どうせハメ撮りするからそれで脅せば大丈夫だろ」
「じゃ、連れて行くか」
そしてキララさんが叫んだ。
その瞬間、佐野君が部屋に入って来て、男2人をあっと言う間に制圧していた。
その後警察に連絡して、証拠もあった為私達は解放された。
佐野君は2人で帰っている時にこれからも一緒にゲームをしようと言ってくれた。
私は素直に嬉しかった、私の幼馴染達は一緒にゲームしようと誘っても皆興味無いと言って悲しかった。
それもあり私はゲームを一緒に出来るリア友に密かに憧れていた。
それにもうクランは抜けようと思ってたし、今回みたいな事がまたあるかもと思ったら、とてもじゃないけど再び誰かと繋がろうとは思えなかった。
だからまた1人でゲームをする事になると思っていたので尚更嬉しかった。
その後LIMEを交換した、その時キララさんの事で揶揄ってみたら、慌てて言い訳していて、少し可愛いとおもった。
家に着いて一人で考えていた。
もう絶対にオフ会とか参加しないと心に決めた。
それにしても男ってホントどうしようもないな、頭の中がピンクの奴ばっかり。
私は発育が良く昔、男どもにからかわれていた、それがたまらなく嫌だった。
そこで傑君が助けてくれて、好きになった。
そんな傑君ですら私の胸を見て来るのが分かる、でも好きな人だったら全然嫌じゃなっかた。
そう言えば佐野君からそんな視線感じた事無いな、女慣れしてるからなのか、私が女として見られていないのか。
「後者だったらちょっと嫌だな」
沙羅は自分で気づいているのか、そんな事を呟いた。
て言うか色々な事があって頭が混乱していたとは言え、私佐野君と凄く親しい感じで話してた様な……。
改めて会話内容を思い出して恥ずかしくなった。
そんな事考えながら佐野君に今日のお礼を言うためにスマホを手にした。
『佐野君今日は改めてありがとうございます』
『いや、いいよ、相沢に何も無くて良かったよ』
『えっと、また遊んでくれるんですよね?』
私は緊張していて敬語になりつつも、聞いてみた。
『あぁ、当たり前だろ?てかもっと砕けた喋り方でいいって、ゲームしてる時みたいにさ』
『あれは佐野君だと分かって無かったからだよ!リアルの友達にあんな気安くするなんて出来ないよ』
確かにアラヤ君とはかなり気楽に話せていた、しかしそれが佐野君だと分かった今だと普通にと言うかかなり恥ずかしい。
『そうなのか?じゃ、俺で練習しようよ』
『え?』
『だからさ学校とかでもゲーム中でもさ少しづつで良いから慣れていこーぜ』
『いいの?』
よくよく考えたら私は内向的な性格を変えたいと思いつつも努力をした事が無かった。
でも、練習台みたいな事に利用するみたいで少し気が引けたので質問した。
『いいも何も俺的にはため口で話して欲しいくらいなんだからいいに決まってるだろ?目標はアラヤの時の俺と同じ風に話す事だな』
『ありがとう、頑張るね』
すると佐野君はそう答えた。
それを見て私は、佐野君の話に乗る事にした。
でもアラヤ君の時と同じは少し時間がかかりそうだな。
「でも、春香ちゃんと愛ちゃんが惹かれる理由が何となく分かるな」
前にも思ったけど、佐野君は余りにも目が綺麗なんだよね。
何と言うか、優しく包まれる感じがする。
それもあって佐野君が仲良くしたいと言ってくれるのは凄く嬉しいと感じた。
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