第2話 あの時

『あの時はさ、』

2枚目を書き始める。


言いたいことが溢れる。


◇◇◇


私まだ19歳で大学生だったから、

やりたいこと、やってみたいことがたくさんあった。


正直そこまで結婚願望があったわけでもないけど、

結婚願望が強いあなたに合わせてた。


あなたと別れて、大学4年生になってさ、

やってみたいこと決めて、就職活動して、うまくいってさ。


でもね、全然楽しくなくて。

社会人何年かやったけど、結局、夢とか目標とかだけじゃなくて、やりたいこととか

なりたい自分さえも分からなくなった。


その時思い出したの。

あなたと別れた時に思ったこと。

あなたには夢や目標がない女が合ってるってやつ。

それって今の私じゃん?って思った。


もしその時にあなたと出会っていたら、うまくいったかな?別れなかったかな?

どう思う?


わかんない。

とか適当な返事しそうだね。

今はこんなにドライな感じじゃないのかな。


◇◇◇


2枚目も終わった。


感情や思い出が溢れてうまく言葉にできない。


「まあ、いっか」


3枚目の便箋を袋から取り出す。

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