第十九話 水滴石穿

「さあ、第二幕といこうか」


崩れ落ちる破片と舞い上がる土埃から現れたガンリョウ。

その姿は最初と比べれば大柄な人間の範疇だが、感じる威圧感は先ほどよりも遥かに強い、

ガンリョウ自身が口にしたように、これまで埋まっていた下半身が自由になったからなのか、あるいはもっと別の理由か。


「まだいけるか、狛」

「勿論!」


戦いの口火を切ったのは狛だった。

これまでと同じように低い姿勢で駆けだした狛は、素早くガンリョウの元へ接近する。

その速さはこれまでの戦闘の疲れを感じさせず、衰えは見られない。


「たぁああ!!」


その接近に、ガンリョウの反応は間に合わない。

その視線が狛を再び捕らえた時には既に、未だ無防備に構えるその胴を袈裟懸けに斬りつけていた。

だがしかし、その手ごたえはいい物ではない。

生身の人間であれば肋骨を切断し内臓にまで達したであろうその一線は、がりがりと岩を削るような音と共に僅かな傷跡を付けるのみだ。


「さっき以上に硬いっ」


手に感じた衝撃に顔を顰めながら、狛が一旦下がって距離を取る。

一方の俺も同様に逆側から斬りかかったは良いが、似たようなものだ。


再度水刃輪を纏わせる手もあるが、二つ同時の魔法使用は疲労が激しい。

相応の集中力を必要とされることもあるが、それによる頭の疲労が何より辛い。

今の俺では長時間使用することは難しい。

俺は剣を振り抜いた勢いはそのままに、遠心力を付けて回し蹴りを浴びせた。


「効かんよ!剣も駄目ならそんな蹴り等効かないのは分かるだろう。私を倒したいなら先ほどの様に魔法を使ったらどうかね」

「分かってるっての……っ」


表情を変えることもなく蹴りを受け止め、俺を殴り飛ばしたたガンリョウが淡々と告げる。

即座に飛び退いて勢いを殺していなければまずい一撃だった。

先ほどから攻撃してこないのは、防御行動すらとらないのは、自分自身の硬さに対する自信の表れだろう。

剣など、刀など、拳や蹴り等恐れるに値しない。

全て受け止めて疲労したところをゆっくりと潰していけばいい。

そんな余裕の表れなのだ。


「桃!大丈夫?」

「大丈夫だ。それよりも狛、あいつの頭上に注意を引き付けられるか?ちょっとやってみたいことがある」

「わかった。そういう事なら任せてよ」

「頼んだ、足下に気を付けろ」

「ん?わかった!気を付ける!」


狛は元気よく返事して駆けていく。

以前戦った妖怪である河童と戦った時は一人きりだったから、今はその後姿がありがたく、頼もしい。


「俺の魔法で援護する!!」

「了解!!」


水の自然エネルギー…マナで生み出したのは無数の水の弾丸、鉄砲水。

それはまさしく横殴りの雨のように、しかし意思を持っているかの如く的確に狛を避けながらガンリョウへ殺到した。


「ようやく魔法を使って来たか…!ならばこちらも、『石垣嵐』……!!」


対するガンリョウの周囲からも、土のマナが吸収されていく。

形となった力は石垣となり、嵐に巻き上げられる瓦礫のように不規則に飛び回って水弾を弾いた。

しかしすべてを防ぎきれるわけではない。破壊力はあちら側が上のようだが、数はこちらの方が遥かに上だ。

防ぎきれなかった水弾はガンリョウへ悉く命中していく。


「はははっ!それほどの量の水を生み出すとは!恐れ入る!だがまだだ!まだ足りない!」


ガンリョウの身体に命中し弾けた水は、やはり攻撃力が足りていないのだろう。

当たった場所は幾らかの陥没後があるがさしてダメージにはなっていなさそうだ。


「さすがに剣よりはマシみたいだな……、だったらまだまだぁ!」


狛が石垣の嵐を躱しながら接近を試みているのが見える。

攻撃の為だけではない。狛の援護の為、視界を潰すため、或いは注意を逸らすために間断なく水弾を撃ち続ける。

その石と水の雨嵐の中を、狛は潜り抜け、走り抜けていく。

そしてその中で飛び回る石の流れを読むと、今度は軽やかにその石を足場に跳びあがった。

そして徹底的な水弾の撃ち込みが功を制し、ガンリョウの意識は今まで注意を向けることが出来なかった狛へと向いた。


「上か!!」

「でえええぇい!!」


気が付いた時にはもう遅い。

ガンリョウが見上げた先には飛び上がり、刀を構える狛。

体重を乗せた刺突がその額へ襲い掛かり…パキンと音を立てて折れた。


「くっ!」

「狛!奴の頭をそのまま蹴り飛ばせ!!」

「なにを無駄な……おおおぉう!?これは、水っ!氷!」


瞬間、上に気を取られたガンリョウの足下に殺到するのは大量の水流。

勿論、水流の発生源は俺だ。

水流はまるで大蛇のようにガンリョウの足元に絡みつき、その足元を浮かせて重心を不安定にさせる。

そしてこれまでの水弾で湿った地面は凍結したことで滑りやすくなっている。

狛に頭を蹴り飛ばされたことで、重心をずらされたガンリョウの体制が大きく崩れた。


「塗壁は、足下掬われるのが弱点ってなぁ!」


当然、その大きな隙を逃す手はない。

大きく体制を崩し、背中から成す術もなく倒れたガンリョウに狛と入れ替わる形でのしかかる。

手には既に普段の二倍の大きさの水刃輪。狙うは首!!


「喰らえ!!」

「なめるなぁ!!」


伸し掛かれた状態で尚、ガンリョウは石垣を撃ち出した。

俺の水弾と似たようなものだろう。

石垣は慌てて行った魔法の為か石垣嵐のそれよりも大きさは小さいが、それでも俺の肩を打ち据えて狙いをずらされた。


「っ…!!」


狙いをずらされただけではない、手に直接纏う様に作る水刃輪は、下手をすれば自分の身体をも傷つけかねない。

ずらされた狙いをどうにか制御して飛び退きながら攻撃を当てたのは、ガンリョウの胸だった。


「惜しいっ!!」


狛が悔し気に声を上げる。

攻撃を当てた胸にはこれまでと違って明確に大きな傷が付いていた。

どれほどのダメージがあるのかはわかりづらいが、それでもあの大きな傷は大きな一歩だ。


「やはりその魔法、危険だな。私の身体をここまで傷つけるとは」


相手もそれを分かっているらしい。

胸に一文字に付いた大きな傷を撫でながら、ガンリョウは不敵に微笑む。

恐らく次の一撃は先ほど以上に苦労するだろう。

だがやるしかない。


「狛!もう一度行くぞ!」

「わかった!」

「そうそう何度も同じ手を食うと思ったかね」


再度攻撃を加えるために駆けだした俺達を見て、ガンリョウが土のマナから魔力を取り込み始める。

何か来る。

狛と俺がその気配を感じ取って、駆け寄る軌道を変えようとしたその時だった。


「壁!?」


畳返しの様に床がめくれ上がる形で出現した壁に行く手を塞がれる。

それを逃れようと後退、あるいは左右に走ればさらに行く手を塞がれてしまう。

遂には部屋の入口、扉の前まで追いやられ、狛とまとめて四方を壁に追い込まれてしまった。


(これは…っなんかヤバそうだっ)


壁自体は分厚くない。が、目の前に突然湧いて出ればブレーキがかかる。

捕まれば格好の的という事が分かっているからこそ、四方を壁に囲まれ逃げ場のない状況はまずい。


「捕まえたよ」


壁越しに声が届く。

傍までガンリョウが寄ってきたのだろう。

壁を作り、組み換え、平時であれば作った壁から此方を覗くことも、話しかけることもできる。

それが塗壁の固有の力なのだろう。

砦を短時間で築くことが出来たのも、タイミングよく此方を攫うことが出来たのも、この力のおかげという訳だ。


「いやはや。カワベエ達が失敗するわけだ。奴らは未だ新参者の未熟者だが、それでもそこらの人間にどうにか出来るような連中じゃあない。君たちは。特に桃君の魔法は実に厄介だったよ。だがそれもお開きだ」


周囲の土のマナが濃い魔力に変わっていくのが分かる。

壁越しに感じる圧迫感に、心が、頭が、けたたましく警報を鳴らす。

早く出なければ。

急いで水のマナを取り込み、魔力へと変える。


(早く…!間に合え…!)


「命までは取らないから安心しなさい。四肢くらいは使い物にならなくするかも知れないが」


淡々としたガンリョウの言葉に、タイムリミットが近づいている事が嫌というほど感じられる。

背後には元々あったこの広間の扉、他三方には俺達を追い込む為にガンリョウが出現させた壁。

二人の人間がいる為に剣や刀を思い切り振れるだけのスペースは無い。

狛も動けないことに悔しそうに唇をかんでいる。

まさに魔法が間に合うかどうかが分かれ道だった。


「それでは残念無念。『塗壁・危機一髪』」


ガンリョウの無慈悲な声が聞こえるのと同時に完成したのは水刃輪。

これを何処へぶつけるべきかが問題だ。

響きからしてヤバい技だ。この壁越しに串刺し刺しにする様な。そんなヤル気満々の技名だ。


(多分正面左右はまずいっ)


背後の扉へ振りかえる。

鍵が開いているかどうかなど確かめる暇はないが、砦で使われていた共通の扉だ、そこまで強度は無い。

水刃輪で強引に扉を真っ二つにして狛を押し込み、自分も体をねじ込む。


「桃!!」


次の瞬間、強引に手を引かれて俺は扉からもといた廊下へ脱出していた。


「危なかった…」

「助かった…」


狛と二人、力が抜けたようにへたり込む。

ピンチを切り抜けた安心感と、それ以上に心強い助けが来たことに安堵した。


勇魚いさな、ハヌマン。助かったよ…」

「間に合ってよかった。俺達もヒヤヒヤしたよ」


勇魚が差し出した手を取って立ち上がる。


「追いかけてまた砦に入ったは良かったんだが、迷路みたいになっててな。ここまで来るのが遅れちまった。」

「それは塗壁…今回の頭の能力だな……」

「なるほど、あいつがそうか」


衝撃で扉が壊れて、先ほどまで戦っていた広間が露わになる。

扉の前では無数の棘が生えた二枚の壁が左右から挟み込むように、俺達を閉じ込めた壁ごと先ほどまで俺達が居た空間を挟み込んでいる。

その場所を眺めるように、ガンリョウは苛立った様子で佇んでいた。


「これはこれは…今日は賑やかな日だ。私特製の迷路で歓迎したはずだが、随分とお早いご到着だったね」

「悪いが遊んでる暇はなかったからな。ぶっ壊してここまで来たぜ」


得意げに言い放った勇魚に、ガンリョウは眉を潜ませた。


「壊した…?貴様、迷路の規則を守らずにここに来たと……?」

(気にするところそこなんだ…)

「まあいい。規則を守って迷路を突破しなかったことは腹立たしいが、今更二人増えたところで、私の勝ちは揺るがない」

「言ってくれるじゃねえの。蘇芳の若い力見せてやらぁ。桃、こいつはどんな奴だ?」

「かなり硬い。今のこいつには剣も刀も刃が通らない。動かない岩は斬れても、こいつは自分でうまいこと刃筋をずらしてくるからかなり厳しい」

「だがあいつの胸に傷があるってことは……」

「ああ、魔法なら通る」

「そうか。じゃあ任せた」


勇魚が静かに槍を構え、ガンリョウに相対する。

棒高跳びのように槍の絵を使って背後へ飛んだ勇魚は、時に突き、払い、叩きつけてガンリョウをけん制していく。

一方のガンリョウは相変わらず体の硬さに防御を任せており、動きは鈍い。

しかし有効打を受けることもなく、悠々と勇魚の攻撃を受け止めていく。


「狛、勇魚が引き付けてくれてる間にハヌマンにも武器を作ってやってくれ。出来れば打撃武器を」

「桃様、しかし私にも槍が…」

「ただの武器じゃあいつには効果が薄い。鎧の上からでも叩き潰せるような武器出なきゃだめだ。色々試してどの武器もある程度使えるようになったお前だからこそ、一番効く武器をお願いしたい」

「……!わかりました!」

「私達も武器が出来たらすぐに行く。気を付けてね」

「ああ」


狛の言葉を背に駆けだす。

勇魚はガンリョウの相手をしながら徐々に広間の真ん中へ移動している。

槍の一撃とガンリョウの身体が打ち合う音が広間に響く中で、俺は静かに水のマナを魔力に変えて狙いを定める。

勇魚は槍の柄と穂を器用に使い分けながら、ツチカべの攻撃を捌き、反撃していく。

一見すると勇魚が押しているように見えるが、やはりガンリョウの防御は硬い。

そろそろ攻め続けるにも一息呼吸を入れる頃合いだろう。


「ッチィ…、桃の言ってた通り硬いな…」


勇魚が後退したタイミングで、鉄砲雨による水弾を浴びせる。

狙いは勿論胸の傷。集中的に狙うために、剣を狙いの指標の代わりに射線を取って機関銃のように連射していく。


「ぬぅ…」


やはり傷口に攻撃されるのは好ましくないらしい。

集中的に撃ち込まれる水弾から傷口を自らの腕で庇ったガンリョウに対し、此方も勇魚を射線に入れないように移動しながら傷口を狙っていく。

腕で庇われていても構わない。

撃ち続けることで腕を一本封じられるのであればそれだけで勇魚は攻めやすくなるだろう。

勇魚は水弾の対応で腕が塞がったガンリョウに再度突貫し、鋭い突きを放つ。

これまでの戦いの中で負わせた大きな傷は胸のみ。

されど俺と狛のこれまでの剣撃によって細かい傷が、ヒビが入っている場所は無数にある。

勇魚はそれらを的確に狙いすまし、抉るように、或いは削ぐように、巧みに槍を操ってあらゆる手段で攻撃を加えていく。


「あまり調子に乗るなぁあ!!」


その流れにガンリョウは青筋を立て、色をなして怒鳴り散らした。

勇魚をこれまで以上の怪力で弾き飛ばし、自らの力で出現させた壁を破壊して何かを取り出し、両腕で振り回す。

それは恐らくは巨大な岩の剣。

正月に使う羽子板のような見た目のそれは切れ味など無いに等しいが、あの腕力で振り回せば人間など用意に吹っ飛ばし、振り下ろせば物理的に潰されるだろう。

ガンリョウは岩剣を取り出した勢いのまま振り回し、そのまま勇魚に叩きつけたが、さらにそこに割って入った影があった。


「おおおおおぉぉぉ!!」


雄たけびを上げて割って入ったのはハヌマンだった。

その両手には金属でできた竹のような見た目の棒状の打撃武器で武装した彼は、単身一枚岩のような岩剣と勇魚の間に割って入るとそのまま攻撃を受け止め、弾き飛ばす。


(竹節硬鞭…!狛、ナイスセレクト!)


一方、重さの籠った一撃を弾き飛ばされたガンリョウはたたらを踏んで後退していく。

その隙に狛が背後から切り込み、勇魚が間合いを詰めて再度岩剣を振るおうとしたガンリョウに割って入る。

勇魚が割って入ったことでガンリョウは岩剣を振るい切れず、ハヌマンが腕へ向かって硬鞭を振るう。

太鼓にバチを叩きつけるように、力強く振るわれた二本の鉄の塊はツチカべの腕を二本まとめて容赦なくたたき割り、大きな蜘蛛の巣上のひびを入れた。


「ぐぬぅ…!!」


ガンリョウがたまらず岩剣を手放し、腕を引く。

しかしその隙を逃すはずもない。


「そこだ!!」


既に周囲の水のマナを魔力へと変え、手には水刃輪を形成している。

時間はたっぷりあった。

いつも以上に圧縮した水の塊は硬い岩石だろうと削り切る刃となった。

ハヌマンが入れたヒビに向かって、俺が『水刃輪』を思い切り叩きつけると、固い体からくる強い抵抗。

しかしたっぷりと時間をかけたことで切断力を上げた水刃輪は周囲のひびを広げながらガンリョウの腕をついに切断した。


「ぐおおおぉ」


悲鳴と共に落ちた腕がごとりと音を立てる。

出血は無いようだが、ダメージはあるようだ。


「畳みかけるぞ!!」


勇魚が号令する。

今ならチマチマ攻撃せずとも一気に攻め立てられる。

その号令に合わせるように俺は魔法でガンリョウの両足を凍り付かせ、後退を封じ込める。

狛が両腕を失いがら空きになったガンリョウの正面に回り込み、胸の傷にすれ違いざまに一閃する。

更にハヌマンが回り込む形で後頭部と首へ硬鞭の一撃を加えると、前後両面から攻撃を受けたガンリョウの身体がくの字に曲がった。


「行くぞ桃ォ!」

「任せろぉ!」


剣に水の魔法を纏わせることが出来るなら、当然仲間の武器にだってできる。

今の俺には時間と集中が必要だが、それは勇魚達の援軍で解決した。

勇魚と共に槍の柄に手をかけ、指輪から魔力を込める。

槍の穂先に水の塊が渦を作り、やがて槍の穂全体を包んでいく。


「いくぞガンリョウ!!」

「ぬおぁあああああ!!!」


最後の叫びは敗北を確信してしまったが故のものか、それともそれでもなお此方へ攻撃しようとした意思の表れか。

それは分からない。

槍の穂先がツチカベの胸のヒビに突き込まれる。

その瞬間、渦巻いた水がドリルのようにガンリョウの身体を穿孔していく。


「あああああぁぁぁぁ!!」


叫んでも穿孔機のようにガンリョウの身体を削り開けていく水の槍は止まらない。

やがて体中にヒビは広がり、圧力に耐えかねたかのようにガンリョウの背から渦を巻いた水流が勢いよく飛び出す。

ハヌマンと狛が左右に躱して、その様子を見守った。

そしてガンリョウ足元を固定していた氷がその勢いに耐えられなくなった時、その体は水の流れに乗って思い切り部屋の端へと叩きつけられた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る