第107話 結末の弊害

「よく天才がやる愚かな質問に『十年後の貴方は何になりたいですか?』というものがある。自分は、この質問が大嫌いだ。十年なんて誰も予測もできやしないのに決めさせるのだから無責任なものだ」


 ある本で読んだ言葉だ。



 小説は当たり前だが、結末、つまりエンドが待っている。


 ハッピーエンドか、ビターエンドかは分からないが、それはあなたが望んだ結末なのだろうか?



 私は過去、どれほどの作品を書いたか忘れたけど、ほぼ思い通りの結末になったことはほぼ皆無に等しい。


 考えれば、当たり前の話で登場人物キャラクターは生きているのである。


 都合のいい操り人形ではない。


 いくら人間らしいせりふを吐かせても、そこに血肉が通わなければ人形と変わりない。



 そう考えた時、作者が望む結末は彼らの『束縛』にならないか?


 

 冒頭に述べた本の続き(本当は漫画)の続きを書こう。


「人生とは冒険なのだ。最初から完成されたものなどない。毎日毎日、何かの、挑戦し変化を見つけ、時に目的すら変える。変わることを恐れていけない。十分な力や準備は必要だが、それが目的になったら意味はない」



 で、私もそろそろ新作に着手しようと思う。


 実は、『見切り発車』な部分がある。


 ただ、『完璧』を求めたら、たぶん、いつまでも走り出せない。


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