第101話 「お客様は神様です!」からの脱却
かの演歌の大御所でだった故・三波春夫は、あるステージで観客席に向かい「お客様は神様です!」と言った。
昭和中期の話である。
以来、日本人の中の「お客様=神」のような信仰というか考えが出来た。
ただ、それは、そのお客様はちゃんと正規のルートでチケットを買い、マナーを守ることが大前提である。
皮肉な話だが、この「お客様は神様です」発言が日本人の『どんなことをしても【お客様】なら何をしてもいい」という現在で言うカスタマーハラスメント、通称・カスハラになる。
これは、実は読者・作者・出版社(運営)などにも起こる。
例えば、大して実力もないのに(まして、キャリアもないのに)「この俺の、この作品に星やレビューが付かないのはおかしい! きっと、運営が悪い!」という内容はネットの海ではよくある。
読者も「あの○○たんの扱いが雑だ! 主人公にしろ!」という無理な注文を付ける。
私の一番口をあんぐりさせたのは某アニメの二次作品を書いている(別の小説執筆サイト)で「あの○○のシーンは完ぺきに俺の小説のパクリだ!」と私にメッセージを送ってきた若者こと。
幸い、そのアニメは当時YouTubeで視聴できたので見て、 件の若者の小説を読んで私は怒った。
そのシーンは話の流れを考えれば当然の流れであり、むしろ、若者の小説のほうがパクリが多いことに俄然とした。
リスペクト、と聞こえはいいが、ほぼ登場人物は読者から作ってもらい(本人曰く「募集」)アニメの流れをパクっている。
確かに、創作や二次でも始めは真似ることから始まるのは事実だが、それなら、「謙虚でいろ!」と叫びたかった。
結局、件の若者からは離れた。
だって、いい読者に恵まれたかったら、いい作者にならなきゃ。
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