第98話 拝啓 未来の自分へ

 漢詩の言葉で、『四十代ぐらいまでにものにならないと大成しない』という文言があった。


 まあ、その漢詩が出来た時代は早死に当たり前だったので、平均寿命が九十近い日本においては年代は違うかもしれない。



 しかし、まあ、私の好きな小説家たちのデビュー、または代表作を書いた年齢を見ると今の私の年齢より下なのである。



 いくら強がっても、特に赤い海レッドオーシャンとも呼ばれるネット小説においてデビューすること、または、それを続けること、大作を作ることは並大抵以上の努力とが必要だろう。



 でも、例えば、天国か地獄かは分からないが門番に「お前は生きている間、何を胸に誇って生きてきた?」と問われたときに、私は胸を張って堂々と答えたい。


「小説と、その縁で出来た人間関係です!」



 作家の作品が世に出たのが死後というのは結構多いらしい。


 例え、生前売れなくても、死後、その作品の価値などが世に認められた作家も多い。



 逆の嫌な言い方をすれば、生前、どれほど売れても死んでから消え去る作品もあるということ。



「自分たちの子供が胸を張った仕事をしたと言える仕事をしろ!」


 昔見た漫画の言葉を思い出す。

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