第85話 その少女は、今も夢を見ているか?(後編)
周囲の大人たちが破格の待遇で少女の漫画をアニメにする企画は最大の山場を迎える。
なんと、
これには少女も感激。
当時の緒方さんは『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジはもとより、『幽遊白書』の蔵馬、『レイアース』のエメロード姫などなどヒット作で人気を博していたからだ。
自分のキャラクターに、その緒方さんが声を当てる。
最後、緒方さんはこんなことを諭した。
「これで学校行ってくれるかい?」
……全員、善意でやっていたと思う。
少女が学校に行けるように最大限の努力をしたと思う。
タイトなスケジュールに無理やり入れたかもしれない。
何より件の番組は大金を叩いだだろう。
だから、あえて胸の中のもやもやを書かせてもらう。
『それじゃあ、駄目なんです!』
後出しじゃんけんみたいで何とも後味が悪いが、同じく虐められて自暴自棄になり、ふさぎ込んでいた私に対して、私の好きな作家が生きていたら何と言っていたか?(その作者は私が生まれる前に鬼籍に入った)
似たような相談をして褒めちぎったか?
真逆だ。
散々罵倒される。
そして、最後にこう言った。
「こう言われて悔しかったら、生きてみろ!」
(似たような相談があった)
もちろん、人の心は様々である。
でも、件の少女は本当に満足だったのだろうか?
もしも、私だったら未熟さを全国放送されて、恥ずかしくって「やめて!」と叫びたい。
(もっとも、私の好きな作家及び声優の大半は向こうの世界の人なのでお願いしたところで思い出の中と想像の中だけだけど)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます