第84話 その少女は、今も夢を見ているか?(前編)

 小説の構想を練っていたり、タイピングをしていたり、テレビで『今年の○○賞(文学賞)は△△さんの××です』という記事を見たり、電車の中づり広告を見たりしていると思い出すことと考えることがある。



 今から四半世紀以上前。


 テレビの特集で不登校児の問題を取り上げていた。


 まだ、不登校児に対する見解やサポート体制も未発達で、インターネットはようやく、ガラゲーで白黒の文字でやり取りしていた時代だ。


 各地に『親の集い』みたいなものはあったが、今のように精神医学に頼らない状況だ。



 その特集で学校などでのいじめが原因で心身とも疲労して登校が不可能になった少女を取り上げた。


 そこで、その番組が少女に対して行ったことが、「趣味で書いている漫画をアニメにして声をつけて放送する」というものだった。



 この時、私に疑問符が付いた。


『え? こんな簡単でいいの?』


 

 番組はまず、漫画を編集者に持ち込む。


 編集長が褒めちぎる。



 正直に書こう。


 私は漫画に関しては無知に近いが、「もうちょい、基礎をやれ!」



 私の苦悩を他所に、次はアニメスタジオに持っていく。


 どこのスタジオだったかは忘れたが、設定画から書き起こしてくれた。


 監督や作画監督は丁寧かつ懇親的に少女から色々な情報を聞き出した。


 そして、番組は最大のサプライズを用意していた。




 だが、私的には……な話。


 後編へ続く。


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