第78話 今は信じる、それだけでいい
世の言葉には『文才』というものがある。
世間には『天才』と呼ばれる人たちがいる。
文章を書くのが上手な人、何かに秀でた人。
私は発達障害であるが、ギフデットと呼ばれるような才能はない。
一度、自分の知能指数を見せてもらった。
確かに文章系の知能指数は高い。
担当の医師や診断を下した人からも「今まで見てきた人たちのトップファイブに入る」と言わしめた。
だが、私には妙なもやもやがあった。
師はそれを言葉にしてくれた。
「そりゃ、隅田さんは小学生の頃辺りから小説を書いている。何度も何度も訓練しているんだ。当然の話」
その代わり、私は数学系が苦手と判断されたが、実は会社の中で(まあ、障碍者雇用なのでしょうがない部分はあるとはいえ)暗算が早い。
派遣バイトで数を数えるバイトをこなしていてし、理数系を好む父や数学の教師のおかげで世界は数学に満ちていることも知っている。
その初歩の初歩だけをほんの少し知って使っているだけだが、時々奇異の目で見られる。
まあ、そんな私が何で小説を書いているか?
というか、自信は何処から出ているか?
はっきり書こう。
賞や周囲の励ましもあるが、書き続けることである。
それこそ、パソコンどころかワープロもない時代は鉛筆と消しゴムと原稿用紙だけが相棒だった。
捨てたものも多いし、得たものも多い。
とにかく、一枚でも、一ページでも書いたもの勝ちである。
どんなに壮大な物語で構想を練っても完結しないと駄作だし、逆に一ページで単純な物語でも大賞を取ることがある。
今は信じる、それだけでいい。
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