第67話 ターゲット層

 商売の戦略を考えるうえで、考えなくてはいけないのは客層である。


 それは性別や国籍などさまざまであるが、小説に関しては年齢層がキーポイントになるだろう。



 例えば、時代劇は私のような殊勝な例を除けば、だいたい三十代後半からハマる人はハマる。


 恋愛小説でも、「失楽園」のような肉欲もセットの場合は五十代、純愛でキャッキャッしているのは十代から二十代前半……



 その中で分からないのが『ライトノベル』というジャンルだ。


 基本的に定義があいまいで何を対象にしているか分からない。


 時代劇小説も作者やストーリーなどで万能マルチ要素はあるが、それは作者の腕であり、いきなり、レーザービームとか強大な魔法とかはない。


 しかし、ライトノベルならある意味、何でもありだ。



 事実、我が師匠は「小説が面白ければルールはない」とさえ言っている。


 だが、別の作家は続きみたいなことを言っていた。


「嘘を書く場合、真実らしい嘘しなければ、小説として成り立たない」



 今でいうのなら仮想現実バーチャルということになるだろうか?


 もちろん、現実の我ら人間には不可能なことはまだまだたくさんある。


 それを資料や想像力を駆使して、さも、史実や現実にありそうなことにする。


 それが作家の腕の見せ所だろう。



 

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