第64話 今やっていること

 今、台詞を拾っている。


 

 職場や人との話で、「あ、この言葉いいな」とか「この言葉はあのシーンで使えるかな?」とメモ書きしていく。


 人の記憶とは実に完璧なようでいて、結構、忘れる。


 しかも、形を脳だけで留めようとすると、他のことが疎かになる。



 仕事はちゃんとするのが、我が家の家訓のようなものなのでまあ、忘れる忘れる……


 なので、メモ書きをしている。


 ただでさえ字が汚いのに余計ごちゃごちゃの字で書いている。


 ある意味暗号。


 でも、その臨場感などで「あー、このキャラクターにはこういう口調で言ってほしいんだな」などが分かる。



 あとは、舞台やキャラクターなどを書く。


 たまぁに喫茶店などで書くこともあるが、基本家である。


 そりゃ、そうだろ?


 他人様に見られると恥ずかしいものだ。


 

 でも、書く。


 来年には四捨五入しようが約にしようが言い逃れのできない五十代が迫ってくるのだ。


 

--残り時間はあとどれぐらいなんだろう?


 そんなことを思う。


 でも、きっと死ぬまで「あー、書き足りないなぁ」と思うのかも……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る