第46話 「昨日までの自分は今日の自分の栄養になる」

「思い出なんかいらん」


 某バレーマンガに出てくる高校のキャッチコピーだ。


--高校生なのに、ずいぶんマセた思想だな


 

 でも、思い出だけで強くなったり腹が満たされることはない。


 そこには、今を支える友や仲間や環境がある。



 そう思い、過去を振り返る。


 好きな作家のエッセーも読む。


「この人(=作家)たちは、毎日、昨日の自分を栄養に変えるのが凄いどん欲だなぁ」と思った。



 私たちは過去を『思い出』にする。


 問題だろうが悩みだろうが、時間が過ぎれば思い出だ。


 有耶無耶のまま、終わる。


 

 彼らは違う。


 それらの思考の血肉に変えて、文章にした。


 日常の出来事。


 日本内外の事件や事故。


 未来への願い。


 

 その血肉は本というものになり、我々の手元にある。



 これってすごいことだと思う。

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