第29話 主人公たちを知らない外国の方の話 ~ポーの話 その2~

 ポーの性格を一言で表すと実にシンプルだ。


『有言実行』


『命令絶対主義』


 つまり、自分のあるじと決めた人間への忠誠心が非常に強く、正行たちの考えを無理くりに「武士道」というのなら、ポーの場合は『騎士道』である。


 

 主の命令は絶対であり、そのためなら命を落とすこともいとわない。


 婦人たちの前では物腰穏やかな立ち振る舞い。


 ……


 うん、到底、正行たちにはできない芸当ではある。


 

 そう、表向きは。


 本心のところを書けば主の命令以外はどうでもいい。


 目の前で同胞が死のうが生きようが関係ない。


 命令通りに対象者に向けて引き金を引く。


 相手が聖人だろうが大国の政治家だろうが関係ない。


 目的も理念もない。


 ポーにとって、それはポーズであり、ある一人の人物を除いて、全ては「敵か味方」なのだ。



 ポーにとって、つまり、私の書くポーの物語は『人間らしく生きる』ための物語。


 繋がり、絆という目には見えないものを感じて、知り、守れるものになるための成長記録でもある。



 あまりに機械的に生きてきた男が、ある意味常識外れの日本人たちに感化されて人間らしさを取り戻す。


 花鳥風月、春夏秋冬……


 日本の四季折々に思いを寄せ、人々との付き合いで本当の意味で『自分』を見つめる。



 

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