第19話 主人公の兄貴分の話 ~石動肇さん その1~

 主人公の平野平正行は、二十歳は過ぎているが世間知らずというか世界を知らない。


 父である秋水は真逆で暗殺家業が嫌で家を出たのに、結果的には傭兵業界、ひいては裏社会で一番の暗殺者になってしまう。


 その間にいるのが、石動肇さんだ。



 感情的で、いささか力に頼り気味な平野平家の面々に対して、世間の常識や策略などが得意で上手に説き伏せる。


 それは、小さい穴をシャベルカーで大きくえぐったり、逆に大型トラックの荷台に積んだ土砂で埋めるのではなく、ほどほどの土を盛るのに似ている。


 ちょうどいい、折衷案を出す。


 それが石動さんに求められることだ。



 同時に読者に対して現状整理や予備知識などを与える役割もある。


 特に世間知らずの正行に基礎知識などを与える兄貴分的役割もある。



 また、『相手を消す=事件解決の早道』と考える秋水にとってみれば、妥協案を出す石動は名パートナーであり、大切な相棒でもある。


「事件に犠牲はつきもの」とは言うけど、被害が少なければそれに越したことはない。



 また、平野平家のしがらみがないのも石動さんの大きな特徴だ。


 平野平家は色々な事情などがあり、猪口家、つまり猪口直衛には頭が上がらない。


 それに対して、石動さんは反論や意見ができる。


 

 ただし、その知識などの裏付けの勉強を少しでも手を抜くと大変な穴になる。

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