第16話 主人公の父親の話 ~平野平秋水 その3~
人は常に『自由』を求める。
労働から解放されたい。
勉強漬けの日々から抜け出したい。
老いの恐怖から逃れたい。
でも、それらから解放された場合。
保障(収入)がなくなるし、将来の選択肢が減るし、誰も死からの運命を逃れることはできない。
秋水は自由だ。
敵のようであり、味方のようであり、誰か一人を愛しているかと思えば、博愛の人にだってなれる。
それだけの力と経歴と金がある。
ただ、育ての父である師匠曰く「確かに秋水は自由だけど、一番枷のある人物でもある」
言われた当時は分からかなかったが、『自由でなければならない』というのはトリックカードであるがゆえに読者の意表を突く行動や言動をしなくてはいけない。
昔は、たぶん、私の精神疾患も相まって「好きにすればいいんだ!」と突っ走っていたけど、物語の整合性が出なくなる。
そもそも、自由とは何か?
小説や哲学、果ては漫画でも取り上げられるが、「これこそ、自由である」と定義できたものは極々少数だろう。
かの剣豪(と言われている)宮本武蔵が書いた『五輪の書』では、自由とは書かれてないが、『空』という言葉がある。
それは、何も考えないでいることを指しているのではない。
--様々な束縛や掟(法など)を知り、そこから自在な視野で物事を見て上を目指すこと。
秋水を『自由』にするために、私が学ぶべきものはまだまだ多い。
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