第8話 そもそもの話 その7 ~世界観について5~

 そもそもにおいて、「ハーレム展開」と呼ばれる特に特技や強さがあるわけでもないのに、いきなりやれ「伝説の勇者の末裔」だとか「実は驚異的な技の持ち主」だとか展開や告白をされ、それまで邪険にしていた女子どもが群がるというものだ。


 そこからの発展形が「俺、TUEEE!」系などだろう。


 もちろん、昔から妖艶なる美形の剣士なんて古今東西いたわけだが、今ほど無料(か、安価)に小説を見聞き出る時代において、すでに『ハーレム展開』は侵食気味である。


 王道と言えば王道だろう。


 でも、寿司の王道で、かつ高価な生の本マグロのトロでも十貫以上食べれば、大抵の人は飽きる。



 そこに魅力的な脇役が必要になる。


 光物と呼ばれるイワシやサバ、丁寧に仕込まれた厚焼き玉子にガリや一息つけるお茶など……


 

 ある人が『今のライトノベルを支えているのは若者ではなく中高年で就職氷河期で不運だった自分の願望を映したに過ぎない』という意見を発信した。


 まぁ、確かに、中高年である私自身、過去に思っていたのと違う未来で生きている。


 正直、十歳の私が今の私を見たら良くも悪くも驚くだろうし、衝撃的だろう。



 私がハーレム展開を考えたら、完全に加齢臭のする爺さんおっさんばかりの小説になるので書けない。

(実際、私の小説などを見るとよくわかると思います。平均年齢が四十歳越え小説を普通に書いています)



 時に主役を食うぐらいの魅力的な脇役がいてこその主人公なのだ。


 単なるハーレムは、もう、飽きられているのだと思う。

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