22話 装備をオーダーメイドしてみた!
ノナはオーダーメイドができる装備屋へと向かった。
場所は今いる場所から非常に近い。
上野にある博物館動物園駅というのはご存知だろうか?
現在は使われていない駅なのだが、その付近にもダンジョンゲートが存在する。
ノナはそこへ付くと、ゲートを
「いらっしゃい!」
そこのダンジョンはかなり小さく、ダンジョン内自体が装備屋だ。
装備屋という名の通り、防具類だけでなく、武器も販売している。
オーダーメイドも可能だが、そうでないものも売っており、客も多い。
結構有名な店らしく、エムもここでオーダーメイドの装備を依頼したとのことだ。
「ちょっといいですか? オーダーメイドの装備を依頼したいんですけど、速達で?」
「速達? ああ、なるべく早めにってことですか?」
「そうです!」
言葉の使い方を間違えてしまったが、意味はなんとなく通じたらしい。
「どんな装備がいいとかありますか? イラストとかがあれば、ぜひそちらを!」
「イラストかぁ……」
ノナは絵を描くのがあまり上手くない。
当然、イラストも描いてきていない。
「イラストとかないんですけど、大丈夫ですか?」
「はい。ただし、その分こちらで詳細なデザインを考える為、お値段は上乗させていただきます。それに加えて、早めにということでしたら、合計30万Gとなりますがよろしいですか? 更に防御性能をそれなりのものへとなりますと、50万Gとなります。いかがいたしましょうか?」
「お金はありますので! 50万Gのコースで!」
「了解です」
結構な金額だが、海へ行く日の前日までに間に合わせられるということだったので、高額なコースにした。
「えーと、オレンジを基調とした感じで、所々黒を混ぜる感じで! 鎧じゃなくて服で! アイドルっぽくない感じで少しアイドルっぽく! リアルのアイドルっていうよりは、アニメのコスプレ的な感じで! かっこいい系で! でも、かっこいだけじゃなくて、かわいいっても言われそうな感じので! 後はシルバーアクセサリーを両腕に巻きたい! 後は黒いマント! できればマントはボロボロというか、こう亀裂とか入ってる感じで! 歴戦の勇者的な感じで!」
「わ、わかりました。しかし、それですと申し訳ございませんが、お値段を5万Gほど上乗せさせていただきますが、よろしいでしょうか?」
「大丈夫ですよ!」
ということで、7月26日に取りに来ることになった。
ダンジョン外であれば、そんな早くに完成は無理だろうが、そこはダンジョン。おそらく、スキルなどでなんとか上手いことやってくれるのだろう。
◇
そして数日後、ノナは再びそこへ訪れた。
「こちらになります……正直今までで一番やりがいがありました……」
「そうですか!? なら、良かったです!」
ゲッソリとしている。
相当頑張ってくれたのだろう。
「これ、チップです!」
「こ、これは……?」
ノナは収納袋から、実は売り忘れていた赤いドラゴンからドロップした肉を取り出した。
ダンジョン内のドロップアイテムは不思議なもので、加工済の生肉が木の箱に入っている感じだ。
腐ってないかどうか心配ではあったが、腐っていなかった。
収納袋に入れておくと、時間が止まるのだろうか。
「食べてください!」
「なんの肉ですかこれ?」
「赤いドラゴンです!」
「レッドドラゴンの肉!? 初めて見ました!」
「あの赤いドラゴン、レッドドラゴンって言うんですか!」
そのままの名前だった。
「でも、私が戦ったのは弱いバージョンですけどね!」
「弱いバージョン……? そんなのいるんですか!? と、とにかく、ありがとうございます!」
元気になったみたいで良かった。
ノナは更衣室を借り、早速購入した装備へ着替えた。
「おお! イメージ通り!」
注文通りのものが出来上がった。
この装備であれば、例え配信に映ったとしても恥ずかしくはない。
明日が楽しみだ。
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