第3話 ダンジョンはジュラシック・パーク

第3話


「うぅ、此処は………」


意識が飛びかけた………


あの岩みたいな奴、一体何だったんだ?


しかも、周囲から人が全然居なくなってるし………


『にゃうん!』

「良かった、シロも無事か………」


何か俺よりピンピンしてる気がするな、コイツ………


まぁ、攻撃力も俺より強いし、当然っちゃ当然か?


『フシャァァア!!』

「いきなり何だ、シロ!?まさか、またあの岩みたいな奴か!!」


───あれ?


あの姿は岩というよりは………


「どう見ても、ラプトルじゃないか!!」

『フシャァア!』

『キシャァア!!』


逃げろ逃げろ逃げろ!!!


いや、何で新宿ダンジョンにラプトルっぽいモンスターが居るんだ!?


新宿ダンジョンがいつの間にか、あのジュラシック・パーク化したとでもいうのか!?


クソっ、俺に【鑑定】なんてスキル持ってないからアイツがどんなモンスターか理解わからない!!


まぁ、持ってたら、とっくの昔にシロの正体が判明してるんだけどな!!


俺の持ってるスキルなんか【鉄鋼】とか、よく理解わからんスキルなんだよな………


硬くなるスキルかと思えば、全然そんな事は無かったし………


「って、今そんな事を考えてる暇なんかねぇだろ、俺!!」


あのラプトル、クソ速ぇ!!


直ぐに追い付かれそうだぞ、コレ!!


誰か、助けて───


『フシャァ!!』

『キシャァ!?』

「うおっ、凄っ!!」


シロがラプトルを一撃で吹っ飛ばしんだけど!?


うわぁ、壁にめり込んでやがる………


めっちゃ怖かったけど、此処まで来ると可哀想になってくるな………


『キシャァア!!』

『キシャァア!!』

『キシャァア!!』

『キシャァア!!』

『キシャァア!!』

『キシャァア!!』

『キシャァア!!』

『キシャァア!!』

『キシャァア!!』

『キシャァア!!』

『キシャァア!!』


はは、はははは………


おいおい、嘘だろ………


「ふ、巫山戯んなよ、現実のクソ野郎!!!」


目茶苦茶居るよ、ラプトル君!!


し、シロ、助けて────


『ムニャムニャン………』


お、お眠になってる!!??


器用に俺の肩に乗りながら、寝てやがる!!


どうやったら、そんな器用な事が出来るか不器用な飼い主に教えて欲しいよ、全く!!!


「クソったれが!!まだ死にたくなんか!!!」


でも、このままだと死んじゃうよね、コレ。


はぁ、ちゃんとフェニックス・クエストをクリアしておくべきだったかなぁ………


「其処で何してるの!?危ないわよ、馬鹿なの!?」


え、誰!?


☆☆☆☆☆


シロside


『間違いなく、転移させられたな………』


あのクソ岩め………


どうして、あの種族は全体的にこんな感じに進化してしまったのか………


う〜ん、後で滅ぼしてやろうかな?


それが良い、是非そうしよう!


『しかし、ウザい気配が沢山するね………』


この気配はヴァンプトルだったかな?


集団で襲って、獲物の血を啜るトカゲの筈だった筈だ………


コイツ等が居るという事は、下層か深層のどちらかなのが確定しちゃったな………


まぁ、私が主人を守れば良いだけの話だけどさ………


『餌!餌!!餌!!!』


おお、早速ヴァンプトルが来たね………


相変わらず、知性の欠片も感じさせない語彙力だこと………


それでも、戦う時は知性を出しまくるってのが凄いのよね、コイツ等………


ギャップ萌えでも狙って進化したのかしら?


『餌!餌!!餌!!!』

『煩い、魔猫拳キャスパリーグ・スピア!』


はい、雑魚。


コレで一旦は黙らせられるだろう………


しかし、近くに奴等の気配を沢山感じる、面倒だなぁ………


全部黙らせても良いんだけど………


『………ん?』


ヴァンプトルに混じる、この気配は………


───へぇ、良いのが近くに来てるじゃん。


なら、私は安心して任せるとしようか!!


『う〜ん、なら事が始まるまで、私は眠ろうか。』


どうか、上手く行きます様に………


続く


☆☆☆☆☆

※フェニックス・クエスト

主人公が双子の姉で、パーティーの仲間が女の子しかいなかったので百合ゲーと勘違いされたが、途中から百合に挟まるかの様な男が登場し、途中で主人公と双子の妹が戦死し、主人公が途中参加の男に変わってしまう為、プチ炎上したゲーム。

だが、名作では有った為、人気は高い。


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コミュ障陰キャによるダンジョン攻略feat.神獣ペットによる飼い主プロデュース クロスディアⅡ @crossdia

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