第26話 執着×2



 エリュシオンと呼ばれる龍に受け入れられた僕は、庭に帰ってすぐにエディを誘った。

 嬉しさのあまり、エディに発情してしまったのだ。



「エディ、すき……もっと欲しい」



「ルリュは口づけだけでも可愛く乱れてくれるね」



 僕の服を乱すのも、僕の心を乱すのもエディだ。

 しかし、狂ったエディは見た事があっても、乱れたエディは見た事がない。

 そこで、僕はエディの上に跨り、エディがいつも僕にしてくれるように真似てみた。



「ルリュ?どうしたの?」



「エディ、僕がする。エディの真似」



「ん?……まさか、俺がルリュに襲われるのかい?」



「んぴゃっ!僕が襲う!エディ、気持ちいい?」



 エディの体に口づけをし、エディの勃ち上がったモノを口に含めば、エディは僕の頬を撫でてくる。

 その手が心地良く、目を瞑りながら尾羽を揺らし、舌で刺激をしてみる。



「ルリュ……可愛い。でも、無理はしないで」



「んぴゃっ!」



 僕が満足するまで、エディは自由にさせてくれるが、エディは気持ち良さそうにしながらも、いっこうに達する気配がない。



 僕、下手くそ?僕はエディにしてもらうと、すぐに気持ち良くなっちゃうのに。



 首を傾げて、スンスンと匂いを確認すると、エディは僕の体を持ち上げ、力強く抱きしめられる。

 そして、僕がエディの上に乗るように、エディのモノが勢い良く侵入してきたのだ。



「ピャンッ」



「可愛いルリュ……すごく気持ち良かったよ」



「でも……エディ、でにゃいッ……ん」



「我慢していたからだね。ルリュの中以外では出したくないんだよ」



 そう言って、エディは僕を抱きしめながら腰を揺らすが、僕は納得できずに涙が出てくる。

 そんな僕の涙を舐めとるエディは、僕を愛でて幸せそうだ。



「エディはいつも……ぼくの食べる。ぼくも……んッ……たべたい」



「美味しくないよ」



 エディはいつも美味しそうだもん。ずるい……僕も美味しいの食べてみたい。



 更に涙が溢れると、エディは緩んだ表情で僕に口づけをし、舌を絡めてくる。

 そうして快楽と苦しさで涙が止まらず、エディはそんな僕を愛でてくるのだ。

 その結果、僕はエディを乱す事はできず、代わりに獅子の耳や尻尾が現れたエディによって、僕は巣から出る事ができなくなってしまった。



「――エディ、もしかして発情期?」



「違うよ。ただ、エリュシオンがルリュを欲している」



 エリュシオンが?そういえば、僕はまだ理解できてなかったんだ。



「エリュシオンはエディなの?」



「そうだよ。俺は本体で選定者。そして今では炎ノ神。けれどエリュシオンはあそこから離れられない。エリュシオンがあの地を支えているからね」



「あの龍がエリュシオンなら、僕はエリュシオンを踏んでたの?」



「そうなるね。あの龍自体がエリュシオンであるから、エリュシオンは離れる事ができないんだよ。ただ、エリュシオンはルリュに会った事で、変わったように感じる。エリュシオンが俺のようになるとは思わなかったよ」



 エディとエリュシオンが同じなら、エリュシオンがエディになってもおかしくないんじゃないの?やっぱりよく分からない。

 ただ、本体がエディなら、エディに変化が出るのかな。



「エリュシオンは僕と離れたくないの?」



「そうだろうね。だからこうして、ルリュを巣に縛りつけて、自分もルリュとともにいるのだと主張してる。俺がこの姿になっているのも、エリュシオンと繋がりやすくなるからだよ」



「僕、エリュシオンにも抱かれてた?」



「そうなるかな。ただ、主導権は俺にあるから、ルリュを抱いたのは俺だよ。それは間違わないでほしい」



 エディは僕を抱きしめながら、スリスリしてくる。

 僕としては、エディのことしか考えていなかったため、間違えたりはしない。

 それに、繋がっているだけで動けないエリュシオンは、エディがいなければ会えないし、僕とは繋がっている気がしないのだ。

 しかし、エディと庭の散歩をできないのは、僕にとって少し寂しかったため、エディを通してエリュシオンにお願いしてみる。



「エディ、エリュシオンにお願いしたい。僕はエディと散歩したい。外で羽づくろいをしてほしい。エディとのんびりして過ごしたい」



「……駄目だね。エリュシオンはルリュを出したくないらしい。俺の執着は、エリュシオンにも影響しているようだね」



「エディが本体なら、エディが何かできる事はないの?」



「ない事はないけれど、エリュシオンについては難しいかもしれない。エリュシオンが狂ってしまえば、楽園が崩壊してしまうんだよ。ルリュを連れて行ったのも、エリュシオンが俺のツガイを気にしていたからだよ」



 エリュシオンがエディのツガイを気にして崩壊するより、僕を知っておいてもらった方が良かったんだね。

 それなら納得!エディがエリュシオンは自分だって言っても、僕のツガイはエディだって言ってたから、なんだかよく分からなかったんだ。

 エディが嫌なら、会わない方いいんじゃないって思ったんだ。

 でも、崩壊するなら別……自分が二人もいると、大変なんだね。



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