Day23 ストロー
よく喋る口はよく食べる。大きなパフェの大きなアイス三つのうち、二つをあっという間に平らげてアイスコーヒーで甘さを流していた。始めはストローで静かに、けれど途中からいつものように口を直接つけてごくごくと。
「こうして飲む方がアイスコーヒーは好きかも。ぎゅっと冷えるんだけどほんのり苦くてさっぱりする」
傾けたグラスの中で氷が透き通った音を立てた。残ったアイスも素早く食べて、まだおっとり食べている自分を待つように使うのを止めたストローで残ったアイスコーヒーを混ぜている。
「これだからなあ。ストロー使って飲む女の子の方が何かかわいく見えるし、目の前でそうやってるのに全然意味がないっていうか」
「今までが今までだからじゃないの?」
「うっ」
氷の比率が高くなったアイスコーヒーは、氷が溶けてどんどん薄くなっていく。自分の気持ちもこれくらい薄まってくれればいいのに。
その薄くなったアイスコーヒーをストローで吸い上げて、やはり微妙な顔をしているので励ました。
「継続は力なりってやつだよ。続けていれば変わるかもよ」
「そうかなあ」
「そうだよ」
我ながら嘘つきだなあと思いながら、まだ濃いままのアイスコーヒーをストローで飲んだ。
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