Day22 雨女

 雨女と晴女の姉妹が共にいると、天気が取っ組み合いの大乱闘を繰り広げる。そのため二人は常に離れて暮らし、互いの顔を間近で見たのは幼い頃が最後だった。けれど、相手が元気かそうでないかはいつでもわかる。

 雨女のいる所で大粒の雨が降る時は悲しい時、晴女の妹は姉の涙が少しでも晴れますようにと陽射しの帯をそっと寄せる。

 晴女のいる所でカンカン照りに晴れる時は怒っている時、雨女の姉は妹の怒りが静まりますようにと絹糸のような雨をふう、と吹きかける。

 あちらは小雨、あちらは小春日和、今日はお互いご機嫌ね、と窓辺で笑い合った。

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