-第五章- 平和な一日と記憶 -
統括官の死から4日が経った。私はいまだに、統括官が両親を殺害した犯人であるという事実を受け入れられないでいた。
私が部屋にこもっていたときだった。突如としてドアが開き、そこには隊長が立っていた。「マークローバスよ、外に出ないか。新都市を案内しよう」私は「わかりました」と答えた。
Crewの本部を出て、住宅地へと向かった。壁や窓が強化され、耐久性が向上していた。コンビニエンスストアもあった。「コンビニは、まだあるんですね」と言うと、「昔にもコンビニがあったのか」と隊長が尋ねた。「私の時にはCLINGS IMPACTというコンビニがあったんですよ」と答えると、「そうか」と返答があった。夢で見た1920年にコンビニができた世界の夢を思い出した。その後、商店街や飲食エリアへと向かい、バーガーチェーンでチーズバーガーを食べた。その後、私は本部へと戻った。
本部に戻り、部屋でテレビを見ていると、ちょうど"DeadNight誕生"というタイトルのドキュメンタリー番組がやっていた。番組ではこう語っていた。
「昔、ファーランドを侵略し、南北で分裂させた。1932年にDNは誕生し、その理由はとある一人の男にあった。ファリア・マークローバス、通常の人の6倍の治癒速度と不死身とされ、村長にDNに売られた。ファリア・マークローバスは4才の頃より軍隊に入るため訓練に勤しんだ。1412年、現在のCrewとなるCTIQAに入隊し、入隊1年後のDVC戦争で死亡した。噂を知っていた治療担当者は、不死の研究を未来に託し、ファリア・マークローバスを止血、強制長期保存睡眠装置でコールドスリープ状態に保存した」と。
私は自分が不死だと信じがたかった。研究のために蘇った。ただそれだけの理由で死なせてくれない... いや、私自身が死なせてくれないのだ。またテレビを見ていると、「DeadNightは生きたいのに生きられない人をDNAを研究し、助けようとした。だが、CTIQAはそれを邪魔し、今に至る」と語っていた。
ベッドに入りショックを受けていると、ドアがノックされた。ドアを開けると大将軍がいた。私は咄嗟に言った。「大将軍ですか...聞きたいことが丁度あったんです。裏のカフェで話しましょう」と。大将軍と話した「なんだ。話したいこととは」「暇ですよね」「今はな」「じゃあ、行きましょう」と。
カフェに着き、話を始めた。「大将軍、私を今後どうするつもりですかね」と聞くと、「話そう、マークローバス。君の今後の扱いを。君は不死の力を持ち生まれた。私たちは君の力を使い、病気が治せると思った。だが、DNはその話を自分たちの計画かのように広めた。それから私たちは、戦場に故意に送り、君を殺させた。そして、君が自身の意思で生き返った。それで約6世紀にも及ぶ睡眠状態から起きたんだ。だが、起きたことを知ったDNは、今君を殺そうとしている。気を付けるんだ。次の戦いが近く始まる。君を危険と認識する者どもと守る者ども、君をめぐる戦いが始まるんだ」と答えた。
「そうですか。じゃあ、FLY TVでやっていた番組の内容は間違っていると」
「そうだ、FLY TVはファーランド帝国時代から続く帝国の指定制裁局の一つだ。分かったか」
「はい、ありがとうございます」
「では、私は会議がある。また会おう」
その後、部屋に戻りPCでFLY TVについて調べた。DN軍営テレビだということが分かった。
私はウォブラシーの墓に行き、こう言った。「大将軍が言うには、私をめぐる戦いが始まるそうです。どうしたらいいでしょうか」と。
墓を離れ、私は考えた。自分の役割はなんなのか。本当の役割は、きっと何かあるはずだと考えた。
次の日、招待で私は帝国政府のビルに入った。14階に行き、会議室に入室してしばらくして会議が始まった。会議は5時間に亘った。私の今後の扱いについての会議だ。やはり、DNから守るとのことだった。信用した。
3日後、起きると父との会話を思い出した。鮮明に。
「ファリア、お前は本当は生まれてこないはずだったんだ」
「どういうこと?ファリアのこと嫌いってこと?」
「違う、言い方が悪かった。おかしいんだ、お前が生まれてから数か月たち、DeadNightがこの地を占拠した。お前を探しに」
「ん?なに、さっきからなにいってるの?ご飯冷めちゃうよ」
「わかった。お前を狙う理由。お前が死ねば、この戦いは終わる。そう感じるんだ。お前は、どう思う?」
「.............................................」
「そうだよな、意味はわからないか。お前がいると戦いが起きる理由、それは、お前が不死でもなく、すべての病気に対抗する力、免疫を持っているからだ。だが、絶対にCTIQAが守ってくれる。お前のことを」
私が狙われる理由は免疫力だった。私の力は特別ではない。不死でもない。それを思い出して、安心した。この場での役割と生き返った理由、考えなければ。
その時、警報が鳴った。DVCの開戦警報だ。いよいよ、また始まる。
私をめぐる、DNとの戦いが。
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