第25話 そのまま襲ってあげますよ
「なんだ。他の人が出来たんじゃないんですね。私に全然連絡してこないから、興味なくなったんだと思いました」
セフレと言ったものの、最近寧々以外とシていないから絢音は元セフレと言ったところだろうか。
「他の人なんて出来るわけないだろ」
「嘘つき。ヤリチンのくせに」
「人聞きの悪い言い方をするな」
「どうせ寧々ちゃんと私以外にもいっぱいヤってるくせに。今日はどの女子を捕まえたんですか? ヤリチン先輩」
公共の場なんだからもっといい言い方をしろよ。ほら、生殖機能が他の人に比べて発達しているとか、知的好奇心が多い人とか。
「それで? 本当になんでここにいるんですか? 明らか不自然です」
話の話題を変えて、俺の表情を伺うように顔を覗き込んでくる絢音。
「なんでって言われてもな……」
「なんですか、やましいことでもあるんですか?」
「やましくはないんだけどさ、ほら、人に言いたくないこともあるじゃん?」
「自分で怪しいこと言ってるの自覚してます?」
「はい……」
自覚してるが、口を割るわけにはいかない。だって、絢音を未奈に会わせるわけにはいかないからな。
寧々は絢音と面識があって、二人とも関係性も知っているからいいのだが、未奈と絢音は接点が何一つない。
ということは、鉢合わせたら大惨事になることが確定している。
寧々と未奈が対面したときよりも、二人からの質問攻めが止まらないで、俺がしんどくなりそうだ……。
「先輩が女子と来てるのは大体分かります。けど、誰と来てるかが気になるんですよ」
「関係ないことに首をツッコむと、痛い目を見ることになるぞ」
「私が? どちらかというと、先輩の方じゃないですか?」
「厳密に言えば、誰も幸せにならない」
「へぇー。ほ~ん。よ~く分かりました。そんなに私に会わせたくない人なんですね」
何かを察したかのように、絢音はムフフと口角を上げる。
鉢合わせる前に、早く俺が未奈を連れて逃げるか絢音をどこかに行かせるかしなきゃ面倒なことになる。
とりあえず、絢音をどこか行かせよう。
「お前は早く買って帰れよ。下着買いに来たんだろ?」
「まぁまぁそんなせかさないでくださいよ。こういうのはゆっくり選ぶものなんですよ?」
「じゃぁ俺に構ってないで早く選びにいきなさい」
「えぇ寂しいこと言わないでくださいよぉ。先輩も私の下着選びに付き合ってくれていいんですよ?」
「断る」
「どんなにエッチなのを選んでもいいですよ? ちゃんと目の前でそれを着て、そのまま襲ってあげますから」
「……大丈夫っす」
「分かりやすい間があったんですけど?」
「もう、今日は満足してるから」
未奈のガーター下着で俺はお腹いっぱいだ。絢音に誘惑されたところで、少しくらいしか揺れ動かない。
もし、絢音に着せるなら、レースの掛かった白のTバックと、白のブラ。そして白のキャミソール。
童顔なら、白で透明感をアップさせて華奢な雰囲気を出せば、一番エロ可愛いだろう。
……って、妄想に浸っている場合ではなかったな。危ない危ない。
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