第13話 瑠香視点

「じゃあ、また明日ね」

「...うん、また明日」


夕方の6時。私の家の玄関で、何か言いたそうにした上井さんが、それを飲み込んで何も言わずに帰って行く

最近、上井さんはこういう行動をすることが増えた。上井さんらしくない行動。出会ったばっかりの頃は、遠慮なんて全然しなかったのに


その上井さんらしくない行動の原因はもしかしたら、最近私がハグをするのを止めたせいかもしれないし、そうじゃないかもしれない


最近変わったことと言えばそれくらいしか思い浮かばないけど、私がハグをするのを止めたら上井さんが変わるというのもあまりピンと来ない


ハグをするのを止めたのには理由がある

上井さんとハグするのが嫌になったとか、そういうことじゃない


いつからか気が付いたら、ハグをすると上井さんが苦しそうな表情を浮かべることに気が付いた


どうしてかはわからない


何かあった?って聞いても、上井さんは何でもないとしか言ってくれない。何か苦しそうだと言っても、そんなことないと思うと否定されてしまう。そして無理に作った笑顔のせいで、表情がわからなくなってしまう


上井さんには苦しいということを認めるつもりも、その理由に答えるつもりもないみたいで、でも明らかに苦しそうにはしていて、だから私は抱きしめるのを止めた。それくらいしか、私に出来ることが思い浮かばなかった


それからというもの、上井さんは帰るときに何か言いたげな言動をとるようになった


やっぱり、私にハグをして欲しくて、あんな感じになっているのだろうか

でも上井さんが私にハグをしたいと言ったのはあの一回だけで、それからは私がハグをしたいと言った時にしかしていない


上井さんはあの日たまたまハグをしたいと思っただけで、基本的には私に付き合ってくれてるだけ

そう思っていたんだけど、違うのだろうか


わからない。もうすぐ夏休みは終わってしまう。その前にこの変な空気を変えたいと思うけど、どうしたらいいのかわからない




そうして悩んでいると、あっという間に夏休み最終日が来てしまった。今日もいつもと変わらず、ベットに並んで座って、2人ともラノベを読んでいる


未だに上井さんの気持ちはわからない。なんとかしたいけど、どうすればいいのかわからない。帰るとき以外の上井さんは普段と変わらないように見えるから、その内いつも通りに戻るかと思ったりもしたけど、なかなか戻ってくれない


ラノベに目を向けながら、でも文字を追うことなく上井さんのことを考える。明日から学校が始まると思うと、何とかしないといけないと思う

でもここ数日考えて何も思い浮かばなかったのに、今日数分考えたくらいで何か思い浮かぶはずもなくて、ただ時間が流れてしまう


「ねえ、小林さん」


そうしていると、不意に上井さんに名前を呼ばれた

ラノベから顔を上げて隣を見る

すると、上井さんがやけに真剣な表情で私のことを真っすぐに見ていた


「どうしたの?」


そのことを不思議に思いながらそう聞くと、じりじりと上井さんが私の方に近づいて来た。人1人分くらい空いていた距離が、手一個分くらいの近さになる。まるでハグでもしそうな距離...


「...っ!」


そんなのん気なことを思っていると、上井さんにすごい勢いで抱き着かれた。その衝撃で危うく後ろに倒れそうになるけど、何とか耐える


びっくりした...


久しぶりに上井さんとこうやって抱き合う。いや、実際はそこまで久しぶりじゃないかもしれないけど、一時期毎日やっていたからか、私の体感ではそう感じる


やっぱり落ち着くな


そんなことを思いながら、私も上井さんの背中に手を回した


しばらく無言で抱き合う。きっと上井さんから何か言ってくれるだろう。そう思った私は、上井さんを堪能しながらその時を待った


「どうして最近ハグしてくれないの?」


ハグをし始めてだいたい3分くらい経った頃、私にとっては予想外のことを上井さんが口にした


ハグしてくれないの?なんて、私にハグされたいみたいな言い方だった。口調も、何だか寂しがっている様に聞こえる


「どうしてって、上井さん、嫌でしょ?」

「嫌じゃないって前に言った」

「言ってたけど...じゃあ何で、あんなに辛そうな顔してたの?」


私がそう聞くと、上井さんは黙ってしまった。でも前に聞いたときはすぐに「辛い顔なんてしてない」と否定されてしまったから、少しはマシかもしれない

辛抱強く上井さんが答えてくれるのを待つ


すると不意に、上井さんが私に大きく体重を預けて来た

突然のことだったし、上井さんの方が大きいしで、私はベットに仰向けで寝っ転がることになった

天井が見えて、そしてすぐに、私に跨った上井さんが私のことを見下ろす


上井さんの茶色く染めた長い髪が、カーテンみたいに私の周りを囲う

この景色、どこかで見たことあるような気がする


そんなことを思って、そしてすぐに、漫画の告白シーンだということを思い出しだした

まるでこれから私、告白でもされるみたい


上井さんの顔が、ゆっくり私に向かって降って来る。私は指の一本も動かせなくて、ただ上井さんのことを見ていた

そしてしばらくすると、私の首筋に上井さんの唇が触れた


思わず体が震える


だけどそんな私に構うことなく、上井さんが次々と私の首にキスを落としていく

感じていけない感覚が、そのたびにどんどん強く感じるようになっていく


「上井さん!」


そう言いながら、私は上井さんの肩を掴んで、私から引きはがした

上井さんと真っすぐに目が合う


今日の上井さんはいつもの上井さんじゃない

どうして上井さんがこんなことをしたのかはわからなかったけど、それだけはわかった


どうしたの?どうしてこんなことしたの?


そう思っていると、先に上井さんが口を開いた


「ずっとこうしてみたいって思ってた」

「え...」


上井さんが呟くように言うものだから、聞き間違えかと思ってしまう

ずっとこうしたかった?

どういうこと?


「小林さんと抱き合うたびにそういう感情が大きくなって、我慢するのが辛かった。もっと小林さんに触れたくなっちゃってた。だから辛い顔になっていたんだと思う」


昨日まで何も話してくれなかったのが嘘みたいに、すらすらと上井さんの口が動く。その表情は、いつも帰り際に浮かべる表情よりも辛そうに見えた

ここまで来たら私も、次に上井さんが何をするのかわかる

心臓が破裂しそうなくらい激しく脈打ちだす

全然予想していなかった展開に、どうすればいいのかわからない


「私、小林さんのことが好き」


上井さんの目が、私の目を真っすぐに撃ち抜く

その目から、私は目を逸らすことができない


瞬きも、体を動かすこともできない


今までは、上井さんに触れると心が温かくなったけど、今は上井さんに触れている足と、抑えられている肩が熱くて落ち着かない

顔が熱くなっているのがわかる。たぶん相当赤くなっている


そんな風に、半ば現実逃避をするように、今の私の状況を他人事のように分析する

そしてそれから、なんとか現実に目を向ける


上井さんが私のことを好き。それも間違いなく恋愛感情を持っている

今までそんなこと全然気づかなかった


こうして告白されるのは、今年二度目だ

クラスの男子に体育館裏で告白された時以来だ


あの時のことを自然に思い出して、あの時とは全然違うと思う

あの時はこんな風に慌てなかった。今思うと不思議なくらい落ち着いていて、告白された瞬間に断ることは決まっていた。気まずいとは思ったけど、どうやって傷つけないように断るかだけを考えていた


今はそうじゃない

今までにないくらいドキドキしている

動揺していて、頭が上手く回らない

そして私は、上井さんが好きだと言ってくれたことを嬉しいと思っている


私は、上井さんのことが好きなのだろうか

そうとしか思えない感情が私の内から湧き上がってくることに、戸惑いを感じる。今まで私は、自分のことを同性愛者だと思っていなかった。男の子を好きになったこともなかったけど、女の子を好きになったこともなくて、でもいつかはきっと男の人を好きになる日も来るのかもしれないと思っていた


思い返すと、上井さんに抱き着きたいと思うようになったのは、上井さんのことを好きになったからだったのかもしれない

それを、お母さんみたいで落ち着く。みたいな言葉で自分をだましていたのかもしれない


良くないことをしたと思う

きっと私のせいで、上井さんのことを余計に苦しめてしまった


「あ、ご、ごめん、急にこんな」


私がそんなことを思っていると、上井さんが急に慌てだした。私がなかなか返事をしないから、不安にさせちゃったみたいだった。私の肩を抑えていた上井さんの手が離れて行って、上井さんが体を起こす。それに続いて私も起き上った


「今日は私もう帰るね」


上井さんは慌てたように、いつもと違う固い笑顔を浮かべてそう言いながら、帰ろうとする。そんな上井さんの手を私は慌てて掴んで、こっちに思いっきり引き寄せた


「わっ」


私の胸に上井さんが飛び込んでくる

そして私から勝手に離れて行かないように、思いっきり抱きしめておく


自分でもなかなか受け入れることが難しいけど、私はどうやら上井さんのことが本当に好きみたいだ


上井さんが私のことを好きだと言ってくれて嬉しいし、こうして抱きしめていると、熱くて、ドキドキして、やっぱり安心も感じる。そして、上井さんが苦しいのを隠して笑っているのを見ると、胸が張り裂けそうになる


「私も上井さんのことが好き」


抱きしめる力を少し緩めて、上井さんの顔を正面から見つめながら、私はそう言った。恥ずかしがることなく、驚くほど自然にそう言うことが出来た


上井さんが目を大きく開けて驚いている。そしてその目には、信じられないという感じの色が漂っていた


でもきっと、噓でしょ?なんて言えなくて、上井さんはどうしたらいいのかわからないみたいだった。段々目が泳いでくる


確かにいきなり信じてもらうのは難しいかもしれないと思う。今まできっと、私は上井さんにそういう感情をほとんど感じさせない行動をしていたはずだから


どうしたら信じて貰えるだろうか。そんなことを考えて、でも誰かに告白したことも付き合ったこともない私が頭に思い浮かぶのは、ラノベの中で繰り広げられる恋愛ばかりだった


いや、あれはさすがに...これもちょっとな...これならまあ、マシかな。いやでも、きっとやったら信じて貰えるだろうけど、なかなか大胆じゃないかな。そもそも私が恥ずかしすぎるんだけど


色々なシーンが浮かんでは、羞恥心で頭の隅に追いやることを繰り返す。でも時間がないことも理解しているから、いつまでもこうしてられなくて、一番マシそうなシーンを参考にすることにする


私のすぐ前で何か悩んでいる様子の上井さんの頬を両手で挟む。すると、緊張と当惑が混じったような目で、上井さんが私のことを見る


出来るだけそれに気づかないふりをして、上井さんにゆっくり顔を近づける。どんどん顔の距離が近くなるけど、どっちも目を閉じない。たぶん上井さんは、私が何をしようとしているのかわかっていない。頭が追い付いていないと思う


そんな上井さんにぎりぎりまで近づくと、恥ずかしさが極限まで高まる。一瞬私の動きが止まって、やっぱりやめようかな。今ならまだ間に合う。そんな弱い私が顔を出して。だから私はそれに負けないように、目をつむって勢いで上井さんにキスをした


ふにっと、柔らかい、初めて感じる感触を唇に感じる


これがキスなんだ...


歌詞によくあるような、レモンの味はしない。何の味も感じることはできない。ただ唇を合わせているだけだから当然かもしれないけど


だけどこのふにふにした感触が、熱いくらいに熱を持った唇が私の頭をくらくらさせる。ずっとこうしていたいという気持ちにさせられる


世の中の恋人という恋人が、ほぼ全員これをするのも納得だった

これは凄い。きっと麻薬だとかお酒だとかに匹敵するくらいの中毒性があるに違いないと思う


たぶん10秒くらい。上井さんの唇に私の唇を重ねた後顔を離すと、顔を真っ赤にして呆然としている上井さんが居た


その表情が凄く可愛かったこととか、初めてキスをして高揚していたこともあって、私のテンションは少し変な感じになっていた


「これ、私のファーストキスだよ?」


ラノベのヒロインの様に、出来るだけあざとく言ってみる

そして言ってから、あざとさを出してみたことを後悔した

上井さんが反応してくれないのも悪い

段々冷静になってきて、今更恥ずかしい


「やっぱり」


今のなし


そう言おうとしたとき、私の背中は再びベットにくっついていた

既視感がある光景。私のことを見下ろす上井さんの目は、気のせいかもしれないけど、ギラギラ光っている様に見えた


「小林さんが悪いんだよ?」

「え...」

「この夏休み、ずっと色々我慢してたのに、小林さんがこんなことするから」


上井さんはそう言うと、私に顔を近づけて来た

反射的に目をつむると、唇に柔らかい感触を感じた

またさっきみたいに、頭がふわふわしてくる。幸せな気持ちで心が満たされる


少しすると、上井さんの唇が離れていく


もう終わりかな


そう思って目を開けようとしたとき、また上井さんに口を塞がれた


「んっ」


突然のことに驚いて、変な声が漏れた

それが恥ずかしくて、また顔が熱くなる。そしてすぐに、もっと恥ずかしいことが起きた


...え!?


私の薄く開かれた唇から、唇よりも温かい、唇とはまた違う感触をしたものが私の中に入って来た


これって、舌だよね?


目を閉じているからよくわからないけど、それしかないと思う

ここまですると思ってなかったから、なかなか頭が追い付かない


私が動揺している間に、上井さんは私の口の中を舐め回していく

歯の一本一本、あごの裏、端から端まで全部


段々、さっき首にキスをされた時のような。いや、あの時と同じだけどもっと強い感覚が私を襲う

背中がゾクゾクしてくる


そうしていると不意に、上井さんの舌が私の舌に当たった。驚いて咄嗟に唇をひっこめる。もう舐められてない場所は舌くらいだった。上井さんの舌が、私の舌を追って来る


再び2人の舌がくっつく。今度はひっこめないように気を付けると、温かくて柔らかくて、少しざらざらした舌を、さっきまでよりも強く感じた


背中に感じるゾクゾクがさっきまでよりも大きくなっていく、背中が浮いてきて、変な声が出そうだった


気が付いたら私も上井さんの舌を舐めていた。2人の舌が絡み合っていて、嫌らしい音が鳴っている


熱に浮かされるように、この気持ち良さに身を委ねていると、不意に上井さんが私から離れた


どうしたんだろう?


ずっと閉じていた目を開けると、上井さんが肩で息をしているのが見えた。そしてそれを見て、私も似たような感じになっていることに気が付く。随分息が上がっていた

そして上井さんの顔は、今まで見たことがないような表情を浮かべていた。頬が赤くなっていて、蕩けちゃいそうな顔。可愛くて、見ているだけでもっとキスをしたくなる。私も同じような顔をしているのだろうか。だとしたら少し恥ずかしい


段々息が整って来る。すると無意識に上井さんの服の袖を握っていた私の手は、それを軽く引っ張っていた。私に引かれて、上井さんが私に再び近づく


また目をつむろうとしたとき、スマホの音が鳴るのが聞こえた。2人の動きが止まる。しばらく音が止むのを待つけど、なかなか止まない。電話みたいだった

私のスマホはマナーモードになっているはずだったから、これはたぶん上井さんのだ


「出ないの?」


私がそう聞くと、上井さんの目が揺れた。どうしようか迷っているみたいだった。そしてしばらくすると、上井さんは立ち上がってスマホを手に取った


「もしもしお母さん?どうしたの?」


上井さんが電話をしているのをボーっと見る。こうしていると、私はさっきまで夢でも見ていたんじゃないかって気がしてくる


体を起こして、乱れた服とか髪を整えて、それから何となくスマホを手に取った

画面をつけて、SNSを開いて、適当にスクロールする

私の目は全然文字を追ってはいなかったけど、手持ち無沙汰だったから何となくそうしていると、電話を終えた上井さんが戻って来た


いつもと同じくらい離れたところに上井さんが座る。さっきまでくっついていたから、何だか凄く遠くに感じる


「お母さんだった。帰りに醤油買ってきてって」

「そっか」


2人の会話がそこで途絶える

逸らしていた目を、ちらっと上井さんの方に向けると、上井さんも少し気まずそうに、明後日の方向を向いていた


体の熱はまだ熱い。まだしたりない気持ちもあるけど、雰囲気的にもう一回キスをするのも何か違うような気がして、その後は夕方までいつもの様に過ごした。本を読んだり、ゲームをしたり。していることはいつも通りだったけど、気まずい空気はなかなかなくならなくて、会話はいつもより少なかった


「じゃあそろそろ帰るね」


いつもより少し早い時間に、上井さんがそう言って立ち上がった

お母さんに醤油を買って帰らないといけないから、今日はいつもより早いのだろうと思う。もしかしたら気まずいからかもしれないけど


「うん」


上井さんを玄関まで見送る

上井さんは靴を履いて、それからいつものように何か言いたげな視線を私に向けてから言うのを止めて、ドアに手を掛けた


それを見て私は、いつもと違って上井さんの腕を掴んで、こっちに引き寄せた

抱きしめたりはしないけど、ドアから出て行こうとしていた上井さんがこっちに戻って来る。その上井さんはどこか戸惑ったような表情をしていた


「言いたいことあるなら、ちゃんと言って」


もう私たちは恋人なんだから。上井さんの目を見てそう言うと、上井さんは驚いたような顔をして、それから恥ずかしそうに目を逸らした


上井さんが何か言うのを、その腕を掴んでずっと待っていると、数秒後に上井さんが口を開いた


「帰る前にもう一回キスしたい」


上井さんが呟くように言った言葉は、そんな可愛らしいおねだりだった

掴んでいた腕をさらにこっちに引き寄せる。そんなに力は入れてないけど、上井さんがこっちに来てくれる。そして私たちは再び、唇を合わせた


くっついては離れて、それを何度かくり返す。そして上井さんが私の口の中に舌を入れようとしたとき、私は上井さんの体を離した


「あ...」


物足りなさそうな声が上井さんから漏れる。私だってもっとしたいけど、これ以上はダメだ。絶対に止まれなくなる


「今日はここまでね」

「...うん」


物足りないと上井さんが思っているのが、凄く伝わって来るし、気持ちはわかるけど、心を鬼にして上井さんを家に帰す


「また明日、学校でね」

「うん、また明日」


上井さんの背中がドアの向こうに消えていく


ドアが閉まってしばらくしてから、鍵をかけて部屋に戻る

私しかいない部屋。さっきまでは座っていたけど、1人になったからベットに寝っ転がる。すると、そこから上井さんの匂いが微かにして、何だか変な気持ちになる


「はあ...」


その変な気持ちを吐き出すようにため息を吐くけど、全然吐き出せない

こんな調子で、明日から大丈夫かな

学校で上井さんと会ったとき、私はどんな風にしていればいいんだろう


いつも通りでいいのかな?周りの人に色々言われるのも面倒くさいし、それが一番いいような気もするけど、せっかくだから学校でも一緒にいたいという気持ちもある


夏休みの間は、殆ど一日中上井さんと一緒にいた。学校が始まって、前までの様に過ごしたら、放課後だけしか一緒に居られない

私はそれに耐えられるだろうか


学校始まって欲しくないな

夏休みが終わらなければいいのに


いつもとは違う理由でそう思って、やっぱり明日からの学校を、何事もなく過ごせる気が全くしなかった

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