　新聞記事が出た後、コンビニには多くの人が訪れるようになった。しかし、同時に思わぬ問題も起こった。

　ある日、少女の両親が美咲のもとを訪れた。

「うちの子を勝手に表に出さないでください。あなたがうちの子の支えになってくれたことには感謝しています。……でも……このまま有名にでもなったら、障害のことであの子は世間から白い目で見られるかもしれません」

　両親の懸念は理解できた。　しかし、美咲は少女の才能を埋もれさせたくなかった。

　美咲は必死に説得を試みた。

「でも、お嬢さんの絵は多くの人に勇気と希望を与えています。それに、お嬢さん自身も絵を描くことを楽しんでいるはずです」

　両親は悩んだ末、少女本人の意思を確認することにした。

　少女は迷わず答えた。

「私、みんなに喜んでもらえるなら、もっと頑張って絵を描きたい」

　その言葉に、両親も美咲も、深い感動を覚えた。

　この出来事を通じて、美咲は大切なことを学んだ。人々の間には壁があり、それを乗り越えるには勇気と思いやり、そして対話が必要だということを。

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