第13話 ログインボーナスで浄土へ行こう
皆様、ごきげんよう。
突然だが、我々は死んだらどうなるのだろうか。
死んだら分かることかもしれないけど、絶対に分かるとも言い切れない。
だからこそ、現世をしっかり生きることが大切なのではないだろうか。
とはいえ、昔から気になるテーマであることは間違いない。
簡単に分類すると天国と地獄ということになるが、仏教の世界ではさらに細かく分類されているようだ。
いわゆる天国は神様の住む世界で、仏様の住む世界は浄土とされている。
そして、この浄土にも色々種類がある。
この違いは、どの仏様が住んでいる浄土なのかということらしい。
その中でも、一番有名なのが極楽浄土と言われる世界だ。
極楽浄土はすごい。
何と言っても、阿弥陀仏が出迎えてくれるのだ。
極楽浄土に行くと、魂が生まれ変わり、仏となる。
いわゆる成仏というやつだ。
そして、極楽浄土は幸せに満ちている。
この幸せが永遠に続くとなれば、現世で辛い思いをした人ほど行きたいと願うはずだ。
極楽浄土に行く方法は実にシンプルだ。
阿弥陀仏を信じることだ。
具体的には念仏を唱える。
念仏はお教とは違い、仏様への信心を言葉として発するもので、『南無阿弥陀仏』という言葉で有名だ。
これだけで極楽浄土に行けると聞かされ、戦国時代に大暴れしたのが『一向宗』と言われる『浄土真宗』だ。
浄土真宗は現代でも信者数が最も多い宗派なのだが、他の宗派においても信者獲得のため、同様の仕組みが用意されている。
宗派によって違いはあるものの、大まかに言うと、『功徳を積む』ことが必要となる。
これは、現世における善行、断食・祈祷・写経を意味している。
昔の権力者が、やたらと寺や仏像を建立したがった理由がこれだ。
現代人は忙しい。
断食なんてしている暇はない。
そんな現代人でも、程々に功徳を積むことのできる方法がある。
『お経を唱える(読経)』ことと、『お寺に参拝する』ことだ。
仮にそれぞれの行為で積むことができる功徳を『1ポイント』だとすると、ある一定量へ達したときに浄土行きの切符が手に入るという訳だ。
まるでスマホゲームのログインボーナスのような仕組みだが、ここに困った問題が発生してしまった。
それは、『字が読めない人はお経を覚えられない』という問題だ。
日本においては識字率が高いのであまり問題にはならないのだが、チベット方面などでは深刻な問題となっている。
だが安心してほしい。
仏様はいつだって我々に寛容なのだ。
字が読めなくたっていいじゃないか、大事なことは読もうとする心なのだ。
ということで、チベット方面では『筒にお経が書かれた手回し車』が存在している。
『マニ車』と言われるこの手回し車は、1回転まわすだけで読経1回分とカウントされるのだ。
そんなマニ車も、現代科学の前では変化を余儀なくされている。
『ソーラー式マニ車』の登場だ。
このマニ車には、モーターとソーラーパネルが搭載されており、太陽光を受けて回り続けるのだ。
アマゾンでも 2000円前後で購入可能なので、罪深い方は購入すると良いかもしれない。
マニ車を回すことさえ億劫な貴方も、これで浄土に行ける可能性が出てきたのだが、もしかすると『チート行為』に当たる可能性も否定できない。
『チート行為』に該当したとみなされ、地獄に BAN されたりでもしたら目も当てられないではないか。
仏様に直接お伺いを立てられないのが辛いところだ。
しかし、私は合法的に大量の功徳を入手する方法を2つ確認したので紹介しようと思う。
1つ目。
成田山新勝寺には『輪蔵』という施設が存在する。
この建物の中には回転式の書架があり、この書架には 8000巻以上の経典が蔵められているのだ。
勘の良い皆様なら、もう分かると思うが、この『輪蔵』は巨大な『マニ車』なのだ。
この書架を1回転させるだけで、8000回以上の読経と同じ功徳ポイントを得られる。
ありえない程の大盤振る舞いなのだが、寺がやっていることなので『チート行為』には当たらないはずだ。
成田山新勝寺以外にも結構あるようなので、お近くの『輪蔵』を調べてみることをおすすめする。
なお、先日、成田山新勝寺に行った際はコロナ対策だとかで閉鎖されていたので、事前に確認をしたほうがよいだろう。
2つ目。
お寺によっては『功徳日』という功徳ポイントを多くもらえる日を設定している場合がある。
お近くのスーパーでも『本日ポイント2倍!』みたいな日があったりすると思うけど、あれのお寺版を想像してほしい。
だが、そこはお寺。
やはり慈愛に満ちていると言わざるを得ない。
日によって異なるが、だいたい数百倍となっている。
真面目に参拝するのが馬鹿らしくなるようなインフレ具合だ。
そして、浅草の浅草寺(浅草寺以外でもあるようです)では7月10日(ほおずき市の日)に参拝すると、46000倍となるのだ。
ゼロの数は間違えていない。
毎日コツコツ通って1功徳ポイントなのに、126年分の功徳ポイントをたった1日で得ることができるのだ。
これで浄土は間違いなさそうだ。
読者のみんな!
死後は浄土で会おうぜ!
※ 仏教の専門家ではないので、解釈が間違っている可能性があります。 慈愛の心で大目に見てくれると嬉しいです。
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