第3話 あ、ごめん。まちがえちった。てへぺろ
私が対人関係で特に気をつけていることに『人の間違いは笑って許す』というものがある。
人は誰でも間違えるものだ。
時々、間違いを犯した者をこれでもかと叩く人がいるが、こういう人は自分が間違いを犯したときにも許されないことが多い。
人の間違いには寛容に、自分の間違いには厳しく。
これが社会で生きる者のあるべき姿ではないだろうか。
あれっ? 『♪(作者)』ってこんな人だっけ?
いつも訳の分からない話ばかりしているくせに、急に聖人っぽいことを言い出したぞ。
いま、読者の皆様は恐らくそんなことを考え、激しく戸惑っておられることだろう。
こちとら、全部お見通しだぜ!
ええ、そうですとも!
もちろん、ここから変な話になりますとも!
安心してください! 変な話ですよ!
ということで、今回のテーマは『人の間違いは笑って許す作者が選んだ、許せる範囲ギリギリの勘違い名称』を取り上げたいと思う。
さて、この地球上で最も種類が多いのは昆虫だと言われている。
Amazon創設者はこの世で最も種類の多い物を売ろうと考えたが、それは昆虫だったので次に多い本にしたという逸話もある。
ここまで種類が多いと、一見同じに見えても微妙に違うせいで、学者であっても勘違いしてしまうことだってあるだろう。
もちろん、人間は誰でも間違えるものなので、そうであるならば謝るべきなのだが、どういう訳か往生際の悪い対応を取っている昆虫学者が多い。
間違えたときは素直に謝ればいいんだよ!
それでは、いってみましょう!
『ニセクロホシテントウゴミムシダマシ』
1.あ、クロホシテントウだ!
2.あれっ、ちょっと違うな……よく見たらゴミムシじゃん。くそっ、騙された! 紛らわしいから、『クロホシテントウゴミムシダマシ』と命名しよう。
3.でも、こっちの個体はよく見たら『クロホシテントウゴミムシダマシ』に似てる別の種じゃないか!紛らわしいから、『ニセクロホシテントウゴミムシダマシ』と命名しよう。
みたいな感じでダマシやら、ニセやらをどんどん追加していったようだ。
自分で勝手に間違えたくせに、虫側が騙したみたいな命名に、引っ込みがつかなくなった残念さを感じる。
っていうか、さらにこれに似た別の新種が見つかったらどうするのだろう。
『トゲナシトゲアリトゲナシトゲトゲ』
『トゲトゲ』という名の、体にトゲのある、見たまんまの羽虫がいる。
ところが、トゲを持たない種も存在していることが分かり、その種は『トゲナシトゲトゲ』と命名された。
その後、『トゲナシトゲトゲ』の種の中に、やっぱりトゲがある種が見つかり、『トゲアリトゲナシトゲトゲ』と命名された。
これで終わりかと思ったら、『トゲアリトゲナシトゲトゲ』の種の中に、やっぱりトゲがない種が見つかり、『トゲナシトゲアリトゲナシトゲトゲ』と命名された。
ということらしい。
次は『トゲナシトゲアリトゲナシトゲトゲ』の種の中に、やっぱりトゲがある種が見つかることに期待したい。
頼む! 見つかってくれ!
『カノウモビックリミトキハニドビックリササキリモドキ』
えっと、もはや悪ふざけのレベル。
さすがに、これはないと思われたのか、今は俗称としてのみ使用されている。
詳しくは分からないのだが、発見者の『三時(みとき)さんという人が二度見したこと』が命名の理由らしい。
カノウさんという人も一緒にいたのだろうが、こちらは残念ながら情報が残っていない。
つまり、『カノウもびっくり! 三時は二度ビックリ! ササキリにそっくり』という冗談をそのまま名前にしたということだ。
いや、さすがにダメでしょ……。
この虫は山口県、広島県に生息しているとのことなので、お近くの方は探してみるとビックリできるかも。
以上、こんな変な話しか書けない、『ニセ作家モドキダマシ』の♪でした。
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