第9話:ベースブレッドを食す
ベースブレッドのこしあん味が最近出たと知り、定期コースを復活した。
私はベースブレッドの味がそこまで嫌いではない。人によっては「ディストピア飯」とまで揶揄するらしいが、そこまでひどい味だとは思わない。
全粒粉で出来たパンの味は、たしかにいつも食べているパンとは違い、独特である。いい意味でいえば香ばしい、と思う。悪く言えば違和感を覚える味かもしれない。ただ、私は結構クセになるので家に食べ物がないときに備えて備蓄している。私がそこまでグルメではないせいかもしれない。
あと、ベースブレッドの箱、丈夫で大きさも同人誌や使わない本をしまうのにちょうどいいのだ。私は結構重宝している。
さて、こしあん味の実食。要するに全粒粉パンでできたアンパンである。
率直な感想をいうと、全粒粉の香ばしさがあんこにのしかかり、ちょっと目立ちすぎたかなという感じである。まずくはない。だが、これを定期的に食べたいかと言われると微妙なところである。お値段的にも、普通のアンパンのほうがコスパはいい。次回の定期コースから外すか検討している。
というか、ベースブレッド、見るたびにお値段が上がっている気がする。昨今の原料の値上がり傾向から見ると仕方ないのかもしれない。
ちなみにベースブレッドで私が一番好きなのはシナモン味である。というかシナモンシュガーが好きなのだ。たまに焼きリンゴを作ったときに、仕上げにシナモンシュガーをかけるのがひとつの楽しみとなっている。
実のところ、私はシナモンを食わず嫌いしていた。というか、シナモンがどういうものなのか、よくわかっていなかったのだが、最近美味しさに気づき、目覚めた。シナモンスティックの使い方は未だによくわかっていないので、時間を見て調べようと思っている。
ベースブレッド、「非常食にどうぞ」という触れ込みではあるが、実際のところ、賞味期限は1ヶ月ほどであり、非常食になるかは微妙なところである。まあ、乾パンではなく、普通のパンとして考えれば普通のパンよりは期限は長い。おそらく、定期コースで食べて交換していく方式なのだろう。栄養素という観点で考えればカロリーメイトでもいい気はするのだが、カロリーメイトはアレはアレで口の中の水分持ってかれるよね。
こう、つらつらとベースブレッドについて書いていくほどに、「文章で飯が食いたい」というこのエッセイの趣旨から外れている気がするのだが、文章を書くのに食事は大切である。必要な栄養素を取ることで頭が働くのだし、生活の中で食事は一日の楽しみのひとつでもある。私はベースブレッドをかじりながら、こうして文章を書き連ねているのだ。
文章で飯が食いたいし、飯を食うことで文章が書ける。この相互作用である。
……こうやって、こじつけておけばエッセイの趣旨に沿うだろうか。さすがに苦しい気がする。
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