攻略法が分かれば(ry
はい。ウサギ如きに殺されるクソザコナメクジのローグさんですよ(二回目)。
油断してなかったのに普通に殺られた。
アレだな。足音も聞こえないから、普通に奇襲に気が付けないわ。
強すぎないか?ウサギと洞窟のコンボ。
今の俺だと対応できないレベルなんですけど。
そんな理不尽に晒されながら、俺は午後に再び塔の世界に戻ってきていた。
正直、今日の攻略をやめてハイちゃんと遊びたい。
あのモスモスの体を味わいながら、可愛い可愛いハイちゃんをこれでもかというほど甘やかしたいのだが、流石にこんな最速で死んでいたらもう一度挑まざるを得ない。
対策も色々と考えてきたので、取り敢えずその検証を頑張るとしよう。
さーて、あと何回死ねば対策が見つかるかな。
「んで、ちゃんとステージを用意してくれている辺り、塔の性格の悪さが伺えるな」
ステージは基本ランダム。
魔物とその地形の組み合わせがランダムに行われてステージとして出現しているはずなのだが、さも当然のようにホーンラビットの洞窟ステージが鎮座している。
暗に、塔から“お前、これ攻略できないんだろ?ざーこざーこ”と言われている気がする。
メスガキ塔の野郎め。いつの日か全部攻略して分からせてやる。
そんな塔メスガキ概念とか言う頭の狂った概念を生み出しつつ、俺は迷うことなくホーンラビットの洞窟を通るルートを選択。
ホーンラビットの洞窟は第二ステージ。
第一ステージはオークの祠であった。
「はい終了。槍投げを積極的に使うようになってから、だいぶ戦闘が楽になったな」
「グ、ゴォ........」
第六階層は基本タイマン戦。
ダメージの出し方と、注意すべき相手の行動さえ気をつけていれば大抵の事はなんとかなる。
多少時間は掛かったものの、無傷でオークの祠を突破した。
オークと連戦しまくったおかげで、大分慣れてきたな。この調子でホーンラビットへの対策もしっかりと建てられたらいいのだが........
そんな訳で、報酬を受け取りやってきた第二ステージ。
2度も殺されたホーンラビットの洞窟へと俺は足を踏み入れる。
「今回は回復ポーション(中)が落ちたから、一発までは何とかなるかもしれん。即死攻撃が来たら無理だけど、足に穴が空く程度ならなんとかなるかな」
今回は第一ステージの報酬で回復ポーションが落ちた。
多分使う前に死ぬだろうが、それでも保険ができたのは大きい。
俺はちょっとだけ心に余裕を持ちながら、ホーンラビットを探す。
そして、早速対策を試していた。
「対策その1!!壁に背中を預けてそもそも背中を取らせない戦法!!」
前回の死に方は、背後の奇襲に気が付けなかったのが原因。
洞窟ステージはその構造上、背後を取らせないように敵を殲滅する確実な方法がない為、こうして背中を壁に押し付けることで、物理的に背後取らせないようにしようと言う戦法である。
多分、傍から見たら超ヤベー奴だ。アレだな。背中を見せてはならないスタンドが取り付いているとか思われそう。
抱っこしてって聞こえ始めたら末期だな。
アホな対策を実行し、カニ歩きで洞窟を進むと、今日二回目のホーンラビットと対面する。
心做しか、ホーンラビットの視線が痛い気がするが、気にしたら負けだ。
俺なりの攻略法だぞ。震えろ。
「........キュー!!」
「はい避ける!!」
魔物に痛々しい視線を向けられた気がしながらも、俺はホーンラビットの突撃を躱す。
ズポッ。
すると、突進してきたホーンラビットはその角が壁に突き刺さり身動きが取れなくなってしまっていた。
「フハハハハ!!計画通り!!ホーンラビットの対策その2!!壁に向かって突進させる!!やっぱり頭がぶっ刺さるよなぁ?その角が頑丈すぎるもんなぁ?!」
「キュ、キュー!!」
角があって突進が強い魔物相手にどう対処するのか?
俺が考え抜いて出した答えは、“壁にぶっ刺して身動きを取れなくさせてしまおう!!”である。
これも、某モンスターをハントするゲームから着想を得た対策だ。
そう言えば、逢魔の名前を持つモンスターの原種が、こんな風に柱とか壁には頭突き刺して動けなくなっていたなと。
もしかしたら、ホーンラビットも同じようになるかもしれない。そう思い、この対策を使ってみたのだ。
結果はご覧の通り。
まな板の上の鯉ならぬ、壁に突き刺さったウサギである。
........現実のうさぎは壁に突き刺さらないんだけどね。
「2回も殺してくれやがって、今からは俺が殺す番だ。覚悟しやがれホーンラビットォ!!」
「キュー?!」
刺突!!扇!!通常攻撃!!
壁に突き刺さったホーンラビットのお尻をボコスカに殴る俺と、殴られる度に悲鳴をあげるホーンラビット。
この絵面だけ見たら、動物愛護団体に訴えられてもおかしくない。そのレベルで酷い絵面であった。
槍を持った少年が、笑いながらウサギの尻をシバいているのだ。
字面だけでそのヤバさが伝わるだろう。
まぁ、その対価に2回死んでるんですけどね。俺の残機(無限)を返せ。
もちろん、この時も後ろの警戒を忘れない。
ウサギをシバく事に熱中しすぎて、またしても後ろからぶっ刺されるなんてアホな真似をした日には、自分の学習能力の無さで恥ずか死ぬ。
お尻を虐めまくってウサギ沈黙。
今回は裏から襲ってくる卑怯なウサギは居なかったらしく、俺は無事にホーンラビットを1匹倒すことに成功した。
「この方法楽だな。攻略法が分かれば後はミスらないように立ち回るだけ。この調子でバンバン行くとしよう」
そして、また俺は背中を壁に預けてカニ歩きで洞窟の中を移動する。
結果から言えば、この対策は完璧であった。
ホーンラビットが後ろから奇襲してくることがないため、死角からの攻撃は滅多にない。
定期的に後ろを確認し、更には壁を使ってホーンラビットを壁に固定できるこの戦法はかなり強く、無事に第2ステージも突破できたのであった。
これで、ホーンラビットを相手にしてもだいぶマシになるだろう。ようやく先に進めるぜ。
【ホーンラビット】
額に一本の角が生えた白兎の魔物。性格は獰猛で、相手が格上であろうが喧嘩を売る命知らず。その癖をして見た目は可愛いので、騙された新人攻略者が死ぬ事が多々ある。塔の中で先に出会って死んでおくことをおすすめされる魔物であり、塔の外で初見先頭はあまりにも危険と言われている。
第二ステージを無事にクリアし、俺はようやく第三ステージに足を踏み入れる事となった。
ちなみに、スキルカードの報酬はスキル1の攻撃強化(小)。
今はとにかく火力が欲しいので、これが無難という判断である。
「イベントステージか。下振れイベントは勘弁だぞ」
確定となっている第三ステージのイベント。
俺は下振れだけは勘弁してくれと願いながら、イベントに挑む。
『洞窟の仲間は暗くて怖い。松明がある。火をつけますか?
・はい(スキルオーブ松明の加護を獲得)
・いいえ(ランダムなスキルオーブを獲得)』
何だこのイベントは。
イベント自体はよくあるアイテム獲得系のイベント。しかし、その獲得出来るアイテムがなんの効果も分からないとなると、話が変わる。
あのすいません。松明の加護ってなんですか?
多分デメリットのあるオーブでは無いとは思うのだが、なんの効果も分からないものを取るのはかなり勇気がいる。
もしかしたら、武器として松明を獲得とかになる可能性だってあるのだ。
そんなゴミ要らねぇよカス。
効果が見たいのだが、見られない。これだから初心者に優しくない塔君はさぁ........
「どうしよっかなぁ........今後のために獲得しておくか?」
俺はどうしようか悩むのであった。
後書き。
ウサギちゃんのお尻を必要以上にいじめるヤベー奴。それがローグ君。
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