vsキメラスライム
ポーカーを楽しんだ翌日。俺は再び塔の試練へと戻ってきていた。
ニア、ポーカーが上手いんだな。ブラフされまくったし、ブラフだ!!と思ったら普通に強い役を出されて負けるし。
ムサシが意外にも弱かったのでムサシから金を巻き上げたのだが、ニアに結構搾り取られてしまった。
でも、ニアに貢いでいると考えれば別に悪い気は........
ハッ!!俺は一体何を考えているんだ。ニアは可愛い顔をしている上に滅茶苦茶女の子にしか見えないけど、男なんだぞ!!
いやでも、確認しない限りは男とは分からないから実は女の子の可能性も........
恐ろしやニアきゅん。可愛すぎて俺の中にある新たな扉が開かれてしまう。
そんなアホなことを思いつつも、俺は報酬画面を眺めていた。
ここは第五階層のボス戦手前。
大剣の扱い方がかなり分かってきた俺は、事故がなければここまで安定して来れるようになっていた。
「んー、最低限欲しいものは揃ったし、ここは飛斬を選んでおくか」
俺はそう言いつつ、スキル3破壊横斬に飛斬を付与する。
以前作った農作ビルドはかなり上振れていたようで、やはりそう何枚も都合よく破壊カードが引けるわけでない。
なんなら第三階層のボス戦で破壊強化が引けなかったしな。
条件を満たした中で確率で選出されている。
代わりに、今回は飛斬が強化されていた。
効果は、飛斬の攻撃力強化と数の増加。
何を言っているのか分からないと思うので説明すると、攻撃力情報はそのままの通り火力が上がる。
普通に強いので取り得である。
そして数の増加。
これは、斬撃の数が増えるという事だ。
強化前の場合は、飛斬は1つしか出せない上に剣の軌道に沿って放たれる。
しかし、数が増加すると飛斬の数が増えるのだ。
しかも、斜めに2つ増える。
剣を一度振ることにより、3つの斬撃が放てるの言うことだ。扇状に前方に。
今回はスキル2が強化された為この様な仕様になっているが、ほかのスキルに着けたらまた違った斬撃の飛び方が見られるだろう。
「んで、何気に貫通のオーブを引けてるのもいいな。相手の防御力を一定割合無視して殴れるってのは便利だ」
そして、新たなオーブ貫通のオーブ。
効果は相手の防御力無視(近接の場合)。
数値が分からないのでどれほどの火力増強になっているのかは分からないが、使って見た感じかなり強いと感じた。
特にその強さが現れたのが、第三階層のボス戦。
今回はホブゴブリンと愉快な仲間達が相手だったのだが、明らかに盾を持ったゴブリンを倒す速度が早かった。
防御が硬い相手に無理やり物理を通す必要がある場合、これは必須級のオーブとなるだろう。
これに属性まで付与出来たら良かったのだが、クールタイムや消費魔力減少を優先した結果取れなかった。
2回ぐらい出てきてくれたんだけどね。出来れば取りたかった。
「回復ポーション(中)も一つあるし、一応最低限の対策はできたかな?それじゃ、四度目の正直だ」
既に三度の敗北。ここまで戻ってくるのに半日近く掛かるのでそろそろクリアしたい。
俺はそう思いながら、第五階層のボス戦に挑む。
キメラスライム(俺が勝手に名付けた)、覚悟しろ!!
「よォ!!また逢いに来たぜ!!」
「─────!!」
ゴブリンの見た目をしたスライム体。その右腕はレーザービームを放つウルフの頭を持っている。
これ、今更気がついたんだが、第三階層のボスを全部合わせた設計なんだよね。
第三階層のウルフのボスとやり合って初めて気がついたわ。
「挨拶がわりの一撃だオラァ!!」
まぁ、それはそれとして挨拶がわりの一撃を繰り出す。
相手は最初に必ずレーザービームを放ってくる事がわかっている。その間は無防備なので、一撃が必ず叩き込めた。
今回もスキル2をできる限り強化しているので、スキル2を主体として戦う。
農作ビルドの亜種みたいなビルドが出来上がったが、今回は色々な強化を施している都合上ビルドに名前をつけることは無い。
「─────!!」
「そら、もういっちょ!!」
初動の動きは単純。とりあえず逃げ以外の火力スキルを使って殴れである。
斬撃をビームが発射されるギリギリまで当て続ける。
スキルがクールタイム中の時は、通常攻撃でも殴っておいた。
そして、光が強くなってきた所で回避行動を取る。
これで最初のレーザービームは当たらない。
ピュン!!ドゴォン!!
地面を抉るレーザービームが、俺の横を通過する。
あれに当たって死ねたら楽だよなぁと思いつつ、俺は即座にスキル1破壊突進を使って今度はボスから離れた。
この範囲にいると、振り下ろしがやってくる。
避けようも思えば避けられるが、安全マージンを考えれば範囲外に出てしまう方が賢い。
そして、射程範囲から逃げれば、ボスはレーザービームの挙動に入る。
そこを狙って近づきつつ殴る。
第一形態はこれで完封できるのだ。
「ほらほらほら!!さっさと第2形態に移行しやがれ!!」
「──────!!」
ボス、第二形態移行。
盾によって身を守り、ミニボスたちが生み出される。
しかし俺は既に攻略法を編み出しているのだ。前のように怯えることなど何も無い。
とりあえず数を減らす。
スキルを上手く回しつつ、囲まれないように立ち回りながら半分までミニボスを削る。
大剣は範囲火力が優秀なので、ここで苦戦することは無い。
既に三回もやって動きもある程度理解してるしね。
そして、半分まで削れば次の行動が増える。
数体のミニボス達が動きを止めて、こちらに向けてレーザービームを放つ準備に入ったのを視認した俺は、一旦ミニボス達の相手を辞めて全力で逃げ始めた。
「3回目でやっと気がついたぜ。お前ら、その形態になると動けないんだってなぁ?!って事は、
そう。レーザービームを放つ見にボスたちは動けないし動かない。
無理に倒しに行こうとした時に違和感を感じ、3度目で気がついたが、こいつらマジで動かないのだ。
それはつまり、射線を切れば攻撃が届かないことを意味する。
この平原のステージに遮蔽があるのか?
そりゃあるさ。そこで盾の中に引き篭ってる巨大なお友達がよ。
この第二形態の攻略法は、ボスを盾にしてミニボスをシバキ倒す。それだけでいいのだ。
攻略法を見てたらもっと楽にクリア出来ていただろうに。やっぱり攻略Wikiって偉大やな。
俺はそう思いながら、遠距離攻撃を仕掛けてこないミニボス達の相手をする。
ここで油断してはならない。遠距離持ち達の射線上に入らないように気をつけなければならないのだ。
「ここなら大丈夫だな」
ミニボス達はタフだが、動きが素直でやりやすい。慣れればある程度舐めプしても勝てるぐらいにはなんとでもなる。
農作ビルドを使ってたらもっと楽に倒せるんだろうなとは思うが、アレはかなり上振れてたから残念だ。
くそう。上振れてても攻略法を知らないと勝てないの、普通に悲しいよ俺は。
というわけで、近距離攻撃しかしてこないミニボスたちは撃破。
残りは動かない遠距離持ちだけである。
「ちょっと休憩。どうせ動かないしな」
と、ここで俺は一旦休憩をとる。
アイツらは動けない。そして、ボスも今は動かない。
そして今は攻撃が飛んでこない。つまり、休憩時間ということである。
肉体的よりも精神的な疲れが来ている。ここまで順調に進んできただけに、緊張感がすごい。
変な汗が出てくる。俺はその汗を手の甲で拭ってしっかりと気持ちを整えると、残りの遠距離持ちを相手にする。
さて、こいつを倒せば第3形態。最初の一撃で死んだから、それを避けるところからスタートだ。
後書き。
最低限の火力と、立ち回りが分かっていれば倒せる超良心的なボス...25体ぐらいのミニボスに囲まれないように立ち回りつつ、射線を切り続けるとか言うとんでもねぇ神業ができるなら。
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