対策してるからって、別に来ていいわけではない(クソイベ)
色々と強化して戻って来ました第三階層。
俺は好き勝手に大剣を振り回すだけで勝てるバカビルドを考案し、かなりハイペースで攻略を続ける。
商店で買い物を済ませた後、通常ステージを二つクリアし、イベントステージへとやってきた。
そして引いてしまった。
下振れイベント。即ち、クソイベを。
『落とし穴だ。あなたは落し穴に落ちてしまう。しかし、そこであるものを見つけた。
1.体力の20%を失う代わりに、スキルカードを3枚獲得
2.体力の20%を失う代わりに、スキルオーブを1つ獲得』
「ファァァァァァァァ?!クソガよォォォォォォ!!」
俺、当たり前だが大発狂。
膝から崩れ落ち、地面を強く殴る。
順調だったじゃん!!順調だったじゃぁん!!
ここでクソみたいな下振れを引かなくたっていいじゃん!!
ふざけんなよこのクソイベ。体力消費量と報酬が釣り合ってないんじゃボケ!!
イベントが下振れた時の為に回復ポーションは買ってある。だが、それは下振れイベントを引いてもいいという訳では無い。
「あー、萎える。これで次のイベントもクソイベ引いたらマジで萎える。また同じ死に方したら、しばらく塔に潜らないかもしれん」
俺はそう言いながら、もう一度選択肢を見る。
どちらも体力20%減少。
クソすぎる。誰だよこんなイベント考えたやつは。出てこい。今からこの大剣でぶった斬ってやる。
回復ポーションで回復できるのは、およそ体力の15%程度。
肉体の節々が痛くなりながら、次のステージを戦わなくてはならない。
最悪だ。しかも次はエリートステージなんですけど。
マジフ〇ック。
これがあるからイベントステージはあまり踏みたくないんだよ。
しかし、選ばなくては先に進めない。
どちらも選択しないという事は出来ないのだ。
はいはいクソイベ。死ね!!
「オーブよりもスキル2の強化を狙うべきか?........いやーでもオーブの方が効果が強いしなぁ........」
ゴールド換算で考えれば、スキルカード三つの方がオトク。しかし、自分の今のビルドに何が足りていないのかを考えると、スキルオーブで自身を強化とかの方がいいようにも思える。
でもここで守りのオーブとか引いたらブチ切れそうだから、スキルカードにしよう。
既に発狂してるのに、守りのオーブを引いた日には精神が壊れる。
死ぬよりも下振れを引いた時の方がメンタルに来るって、ローグライクはなんて恐ろしいゲームなんだ(白目)。
と言うわけで、俺は1を選択。
全身に急激な激痛が走り、口から血が出る。
そして、スキルカードを三つ獲得した。
「ゴホッ........あぁ。クソ、痛え」
俺はそう言いながら、回復ポーション(中)を飲む。
クソイベ引いた時のケアとして買っておいて良かった。買ってなかったら、ここでゲームエンドを迎えていた可能性の方が高いぞこれ。
赤い血のような液体が、俺の喉を湿し、体の痛みを取り去っていく。
動けないレベルで痛かったはずの体は、一応動けるぐらいまでは回復してくれた。
「........ぺっ!!あー鉄の味が口の中に広がってやがる」
俺は持ってきた水を少量含んで口をゆすぐと、自分の血の味を消し去る。
まだ血の味が残ってはいるが、これならばマシな方だろう。
「んで、何を貰ったんだ?」
これでゴミみたいなスキルカードを寄越してきたら殺すぞと思いながら、スキルカードを確認。
貰ったのは、スキル2のクールタイム減少とスキル1の攻撃強化。そしてスキル1の射程距離上昇であった。
お、全部欲しかったやつだ。まだ許せる。
これで全部攻撃強化とかだったらイラッとしていたに違いない。
スキル2のクールタイム減少(小)は大きいな。これで7~8秒ぐらいでスキルをバンバン使える。
欲を言えば消費魔力減少も欲しかったが、及第点と言えるだろう。
そこまで大きく運に見放されている訳でも無さそうだ。
「あー全身が痛いな。軽い打撲を食らった感じになってやがる」
動く度に僅かに体が痛い。軽く打撲になった症状が全身に出ている感じだ。
まだ動けるだけマシだが、それでパフォーマンスに影響が出るだろう。
でもやるしかない。ローグライクはどんなに下振れてもそれを乗り越える事で強くなれるのだ。
大体死ぬけど。
「レッツゴー」
俺はやる気のない声と共に、エリートステージへと進むのであった。
【大剣】
初心者向け武器。スキル主体の戦い方がメインであり火力も高いため、かなり使いやすい。さらに、破壊の強化が出来ればザコ戦、ボス戦共に強力。しかし、移動速度、攻撃速度などは低下してしまうので、立ち回りには注意が必要。
勝ったぜ。
体力が削られた状態でのエリートステージ。
正直負けるかもしれないと思っていたが、大剣のポテンシャルを完全に舐めていた。
脳死で振り回すのは辞めて、しっかりとスキル管理と射程管理をしながら戦っていたのだが、とにかくスキル2がバカ強い。
強化しまくって破壊の攻撃が遠くまで届くようになったおかげで、安全な立ち回りもできるようになっていた。
足の遅さはスキルオーブでカバー。
ヒットアンドアウェイなのはもちろん、スキル1の射程距離上昇で逃げ足も早くなっている。
被弾=死であるこの試練において、逃げの手段を取れるのはやはり強い。
結果、安牌な動きを続けた俺は無事に勝利を収めることが出来たのであった。
「お、報酬に回復ポーション発見。これで全回復できるな」
無事に全ての魔物を討伐し、お待ちかねの報酬タイム。
俺は回復ポーション(小)が報酬として落ちたことに喜び、早速飲み干す。
ちなみに、回復ポーションの味はなんとも言えない変な味だ。
薬草のような味もあるし、ちょっと甘いような苦いような........
そんな味である。
不味い訳では無いのでいいが。
「これ、ポーションがぶ飲みとかしたら動けなくなりそう。無理やりポーションバフで乗り切るみたいな戦い方をしようとする時は気をつけないとな」
二本のポーションを飲み終えて、地味にお腹に溜まる水分が気になる俺。
この試練はゲームのようなシステムがあるだけでほぼ現実に近い。
食べすぎたら多分お腹が痛くなるし、水を飲み過ぎればお腹はタプタプになる。
一応持ち運びが可能な保存食を持ってきているが、食べない方がいい可能性が出てきたな。
俺は飯を食うと少し力が落ちるタイプである。
「んで、ここできたか
お待ちかねの報酬タイム。
13ゴールドを獲得し、回復ポーションも獲得。
ウハウハだぜと思っていたら、スキルオーブがゴミだった。
死ぬまでの時間を長くしてくれる、ある意味の拷問オーブこと守りのオーブさん。
君、ほかのオーブに比べて弱すぎるんだけど弁明とかあったりする?
現時点ではまるで使い道がなく、まるで強さを感じないクソザコオーブくん。
果たして彼が活躍する日は来るのだろうか。
いや、まぁ、貰えるもんは貰うけどさ。デッキ構築型ローグライクでもないんだし。
これがデッキ構築型だったら、デッキ圧縮のために貰ってないが、この試練は貰えるもんは貰っておけが正義の試練。
たとえゴミでも貰っておくさ。俺は優しいからな!!
「次はボス戦か。中ボスって色々な種類のボスが出てきたりするんだけど、もしかして今回はホブゴブリンじゃなかったりするのかな?」
ローグライクはボスだってランダムだ。
もちろん、何百種類とかある訳ではなく、大体3~4種類程度なのだが、ボスによって大きく攻略難易度が変わるなんてことがザラにある。
中にはそいつの対策を迫られたりするんだから、クソすぎるね。お前の事だぞ時計。お前が居るせいで一部のデッキが死にかけてるんだよ。
そして今回のボス戦のステージ名が実は違う。
もしかしてとか言っているが、ボスが違うのは確定的だ。
「........行くか」
俺はそうつぶやくと、ボス戦に挑むのであった。
そして、ステージが始まった瞬間察した。
あぁ........青き試練ってクソデカスライムなのね........
後書き。
対策してるからって、別に来ていいわけではない(2回目)
クソイベほんま、死ねよ(どストレート)
ちなみに、カットされたエリートステージを大剣で突破するには、素早さのオーブが割と必須級。知らない間に対策してたパターン。
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