大剣強ぇ‼︎
頭の中の悪魔が天使に勝ってしまった俺は、第二階層で暴れまくっていた。
元々、スキルを主体として戦う俺のやり方と大剣の相性が良かったというのもあるのだろう。
片手剣を使っていた時のような火力不足と息苦しさを俺は感じることなく、実に楽しい攻略が始まる。
こーれ、俺の時代来ました。
ローグライクに限らず、その人に合ったプレイスタイルという物が必ず存在する。
俺は今の所スキル主体の戦い方であり、また一撃ドカーンが好きなタイプなので大剣との相性はパッチリなのである。
結果........
「あはははは!!ふっ飛べ!!」
「グギャ?!」
スキル2の破壊縦斬を強化しまくって、大剣を振り回すバカビルドが誕生してしまった。
あーこれだよこれ!!片手剣とかいうチマチマした武器はやっぱ性に会いませんわぁ!!時代は一撃必殺でしょ!!
第二階層第六ステージ。
既にエリートステージをクリアし、さらなる強化を施した俺のバカビルドは止まることをしらない。
クールダウンのオーブ(小)に攻撃強化のスキルカードが二枚(一つはスキル1)と消費魔力減少二枚。
イベントステージはお金イベントだったので、現在の所持金は46ゴールドである。
「やべぇ“破壊”が楽しすぎる。突っ込んで振り回すだけで敵がバカスカ吹っ飛んでくぞ」
片手剣の時の苦戦はどこへやら。俺はスキル2を振り回しながら突撃をするだけで勝てるとかいうとんでもない勝ち筋を見つけてしまったのである。
えー馬鹿です。武器バランスがまるで違う。
おい塔。ちゃんとテストプレイはしたのかよこれ。明らかに大剣の方が強いだろ。
俺が初心者すぎて片手剣の力を出せてないのだろうが、だとしても大剣の使いやすさは異常だ。
スキル2を振り回して周囲。ぶっ飛ばしたあと、残りのスキルで追撃をすれば大抵勝ててしまう。
スキルの攻撃力が違うからと言って、ここまで違うものかね?この調子で他の武器も試したら、本当にぶっ壊れ武器が出てきそうで怖い。
アレだ。ちゃんと使えれば全武器強いけど、その中でもあからさまにぶっ壊れた奴があるみたいな。
序盤の安定性と終盤のスケーリングを両立したビルドとか武器とか、お前明らかに優遇されてるよね。運営と寝た?みたいな奴である。
これはしょうがないと言えばしょうがない。全てを均等な強さにするのは難しいのだから。
でも、一応塔の試練なんだからそこら辺は均等にやろうぜ。片手剣が泣いてるよ。
という訳で、第六ステージクリア。
報酬は3ゴールドとスキル2のクールダウン減少である。
「何気にスキル2のスキルカードが結構引けてるのもいい感じだな。破壊のスキルカードがもっと欲しいところではあるけど」
スキルカードで破壊を強化出来れば、射程と威力が上がる。
全体攻撃の強さが上がるので、見かけたらなるべく取っておきたい。
10枚とか取れたら、地面叩くだけで勝てそう。
俺はそんなバカビルドが作りたい。
「んで、最後も戦闘か。ほな行きますか」
今の俺に勝てるやつはいない。そんな慢心しきった心で、第二階層第七ステージへと突っ込む。
大丈夫。破壊が何とかしてくれるさ。
今回はウルフの群れ。
片手剣の時はできる限り距離を取りつつ殴っていたし、群れを相手にするのはきついという事で隙を伺っていたのだが、今回は違う。
「当たり配置だなぁ?!」
3箇所に別れて出現したウルフ達。
俺は真っ先に1番近い群れに突っ込むと、ウルフが来るタイミングを見計らってスキル2破壊縦斬をぶっぱなす。
「オラァ!!」
「クゥーン!!」
ドゴォン!!と、凄まじい音が鳴り響き、それと同時に周囲のウルフ達にダメージが入る。
一撃で殺せるとは思ってないが、かなりの大ダメージが入ったのは間違いない。
俺はそのままスキル3破壊横斬を使用して、ウルフ達にもう一度破壊ダメージを与える。
ウルフの群れは、類を見ない速さて壊滅させられてしまった。
フハハハハ!!大剣強ぇ!!
何も考えずに大剣を振ってれば勝てちまう!!これが破壊にスキルカードを寄せた結果!!
楽しすぎる。
スキル2のクールタイムもそこまで長くなく、スキルカードとオーブで減少させているから、10秒に一回は打てるのだ。
そして、それまでの間を凌ぐためのスキルもある。
2発で沈むウルフ達が相手になるはずもなかった。
「アッハッハ!!」
「クゥーン!!」
笑いながら狼を虐殺していく姿は、現代の日本なら間違いなく通報もの。
しかし、ここは異世界。しかも塔の中なのである。
どれだけ暴れようが、誰も文句は言ってこないのだ。
「あー楽しかった」
ステージクリア。
前回に引き続き、第二階層を楽々突破だ。
配置事故とかが怖かったが、それもない。そして何より大剣が俺の手に馴染む。
「報酬は........チッ、スキル2を強化するカードがないな。変わりに飛斬があるし、そっちを取るか」
そしてお待ちかねの報酬タイム。
お目当てのスキル2を強化するものは無かったので、俺はスキル4破壊大回転に飛斬を付与。
これで遠距離攻撃手段も手に入れた。
クールタイムが長いからあまり使わないだろうけども。
そして戻ってきたぞ第3階層。
俺はルート選択を見て、早速自分の運の良さに驚く。
「エリートステージと商店が踏めるじゃん。最高かよ。欲を言えば、エリートが先に来て欲しかったけど、それは望みすぎか」
スキルオーブやスキルカードが変える商店を先に踏んでしまうため、エリートステージで得たお金が使えないが、まぁまぁまぁ、そこまで望んだらバチが当たるというものだ。
商店は第二ステージ。
とりあえず第一ステージをクリアしなくては話にならない。
「森の魔物か。挟み撃ちにならない様に気をつければ問題ないな」
大剣がザコ戦に優れているからと言って、囲まれてしまうとキツイのは変わらない。最低限の立ち回りだけは意識しつつ、俺はゴブリン、スライム、ウルフのオールスターを相手に大剣を振り回す。
破壊破壊破壊ぃ!!
脳死で大剣ブンブンしているだけで、敵は溶ける。
こうなった時のローグライクは楽しい。序盤だけしか味わえないんだろうなとは思うが、それはそれ、これはこれなのだ。
今が楽しいならいいじゃない。
「はい終了」
爆速攻略完了。
片手剣ではあれほど安全マージンに気をつけながらやっていたが、正面の敵を殴れば後ろの敵も吹っ飛ぶ今の状況ならば遠距離攻撃もそこまで気にならない。
だって近づいたら勝ちだからね。
そして、正面からしかヤツらは遠距離攻撃ができない。
大剣を盾のように構えて突っ込む破壊突進を使えば、あっという間に射程圏内に入れてしまうのだ。
片手剣とスキル構成は同じなのに、戦い方がまるで違う。
これが武器種による差だね。片手剣なら間違いなく死んでる。
「報酬は........4ゴールドか。これで所持金54ゴールド。スキルカード換算で9枚分か」
54ゴールドもあればそれなりの買い物ができるだろう。スキルオーブ3つ買える時点で強い。
やはり金。資本がローグライクでは全てである。
金があればなんでも出来る。だから、戦闘ステージを踏んで金を稼ぐのだ。
「何買おうかなぁ。スキル強化のオーブとか破壊のオーブとか出てきてくれると嬉しいんだけど」
その後、俺はクールダウンのオーブ(極小)とスキル強化のオーブ(極小)、そして破壊強化のスキルカード1枚と回復ポーション(中)を買うのであった。
ここまで来て下振れイベント引いて死にましたは笑えないからね。
ちゃんとケアできる手段は用意しておくさ。
........あぁクソ。エリートステージでポーションが引けてれば買わなくて済むのにぃ!!
後書き。
明らかに効果がバグってる武器とかアイテムとかよくある(だからと言って、勝てるわけじゃない)。
新作を投稿しました。タイトルは『7665回死んでから始まる魔王道』です。
是非読んでみてください‼︎
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