第6話 体調が良い理由
何か久し振りに安眠が出来たようだ。
最高に気分の良い目覚め、伸びをすると身体が軽い!20年は若返ったような気がする。
「気のせいじゃ無い!脱力感が消えて最高に体調が良い」
『主様はご存じか?魔王様は配下が増えると力が増して居られた』
「そう?なのか?」
アントワは人には知られていない、意外な事実を語ってくれた四天王だったのは嘘ではなく、魔王の側近しか知らない魔物の真実だ。
『今生魔王様は穏健派と人間の間では言われて居ったが、若い魔王は配下が少くまだ弱くて先頭だって戦に出られんかった、それを持って穏健派と勘違いされておった。主様の体調が良いのは、われが真の配下になったからである』
「ん?魔王ならそうなのだろうが、人間の私が好調になる理由が分からん」
『われもそこを不思議に思っておる、主様は魔王様と戦われた時、変わった事は無かったか?魔王様は真の配下を増やす為、魔王様の力を少し授け忠誠を誓わせて居った。われも授かったがその時の魔法陣のまんなかに【祝】こんな神代文字が有った。主様覚えは無いか?』
「覚えはある・・・」
私は瀕死の魔王が、己の血で渾身の呪いの魔法陣を描き、私に直撃した事を話た、その時の魔法陣の中央に【祝】の神代文字が有った事も。
『主様!全て判明した!主様は魔王様渾身の祝福を受けておる!!おそらく死の間際余裕が無く、しかも使った事の無い左手で描き慣れた【祝】と描き間違った、今の主様は魔王様の能力、全て強烈に引き継いでおる!!真の配下が増えてくれば力も増えるが、不死身再生能力も現れて来るぞ!!』
「それは大変な事だぞ!私は人間のままで居られるか?魔王化とか魔人に変化するのは嫌だ」
『どう変わるかはわれには想像も出来んが、主様の本質は変わらんであろう!一つ確実に言える事は真の配下が増えれば力だけで無く、容姿も若返るはず、現に昨日より主様は若く見える』
「魔王を見てきたアントワの予想では、私はどこまで若返る?」
『それは、主様が一番活力に溢れていたころで有ろう』
「それを聞いて安心した、赤ん坊まで若返っては何も出来んようになる」
体調が良いのも相まって、今のアントワの話を噛み締め思考に沈む賢者だった。
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