1章 オーガの主
第2話 呪いの後遺症?
「ケンジャさん!!」
聖女ウインは駆け寄り、解呪の魔法を繰り返し倒れた賢者に掛け続けた。
「ウイン、オジイはどうなった?」
「分かりません!解呪の魔法と治癒魔法をずっと掛けて居ますが、効果が・・・」
「死の間際、怨みを込めた魔王の呪いは強烈な物だったが、流石ケンジャさん生きては居るようだな」
5年の苦労の旅、老け込んだ賢者では有るが60歳でも勇者パーティーの一員、かろうじて意識を取り戻した。
「よかった!!ケンジャさん!動ける?」
「ん?心配掛けたようだな、問題無い動ける」
とは言ったが、全身に脱力感があり、まともに身体を動かす事が出来ん、私はノロノロと立ち上がった。
「オジイ王都に
若い勇者は私をオジイと呼び
勇者の転移魔法が私達四人を包み、一瞬で王都に転移した。
疲れる式典が続き、最後に私達は国王様から
式典の最中倒れた私に国王から労いの言葉と領地を
「賢者ダイ!そなたの功績を称え辺境伯に陞爵し、ヘブン一帯の領主に任命する!」
「お怖れながら、私ケンジャは不覚にも魔王の呪いを受け、領主任務遂行不可能状態で有ります、有り難くも国王様の陞爵に領地下賜は断腸の思いで断念するしか御座いません!法衣伯爵をご検討下されば幸いで有ります!」
上告も途切れ途切れで儘ならない状態の私に、国王様は快く答えて下さった。
「ダイ・ケンジャ法衣伯爵を赦す!ヘブンで療養致せ!」
ヘブン一帯とは、魔王国と我がギリス王国の
現在復興が目覚ましく活気に溢れた領地ではあるが、療養のため保養地として勇者パーティーを抜けさせてもらい、
私の
アスカル達は2日領都に滞在し、各々の領地に帰って行った。
暫く領都で過ごしたが、私は酪農のヒナビ村に向かった。
代官のカンダの反対を見すこし、私は勇者パーティーの賢者だ!と押しきり空元気を振り絞り旅立ったが、思いの外身体が動かん、ヒナビ村に2日のはずが5日目になっても村にたどり着かん。
「道を間違ったか?だが迷っては居らんぞ!」
この状態を世間一般では迷って居ると言う。
(しかし、結界を抜けて来た魔王の魔法陣、私は神代文字は苦手だが、魔法陣の中心の文字は呪では無かった!呪の口が違い、ネが付いて読めんが『祝』となっていた・・・思い違いでは無い)
「・・・けて」
「ん?何か聞こえた!」
声の方に急いだが、自由に動かん脚め!!
たどり着いた森の中、少し開けた所に魔物とにらめっこしてる少女がいた。
「バインド!」
私は魔物オーガをバインド拘束し、少女に話掛けた。
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