第6話 お尻を隠し立ち去った

「ブヒン!」

「ん?クリもやって欲しいか?」

クリは顔を背中に向けた。

「盗賊から巻き上げた剣と鎧がどうした?」


「コウさん、背中の荷物が鬱陶しいんじゃ無い?」

「クリ、荷物が邪魔か?」

「ブヒン!」


「武器屋に売るか!」

武器屋を聞こうとすると、皆顔を背けて話せない。

そこそこ綺麗な女性に近付き、顔を覗き込むと悲鳴を上げて逃げて行った。

「何だ?あの女?変なの」

「コウさんに襲われると思ったんじゃ無い?」


「僕にも選ぶ権利がある!」

「何がボクよ!可愛く無いよ?」

「男に可愛さは不要!逞しさのみ有れば良い!」

「コウさんは、部分的にしか逞しさ無いよ?」


とか楽しく話ながら歩いて居ると、鍛冶屋が有った。


中に入ると剣や鎧を展示してる。

「店主、ここで剣や鎧の買い取り出来るか?」


誰も居ない、無人の店内で独り言言ってる様で虚しい。

「おーいっ誰か居ないか!」

「聞こえて居る!喧しいぞ!」


ごっつくてぶっとい腕のおっさん、逆らわん方が良さそうだ。


※ラノベで『おっさん』呼びを普通に使って居るが『おっさん』の呼び名は侮蔑と敵意を込めた物と知らない人が多過ぎる!親愛を込めるなら『おっちゃん』と呼ぶべきで有る。

コウの『おっさん』呼びは、当然敵意と侮蔑を込めたものだ。


「オヤジ、武器と防具の買い取り出来るか?」

「みせて見ろ、不出来な物は鋳潰す材料代にしか成らんぞ」


8人分の剣と鎧、金貨2枚だった。

邪魔な物なので売ったが、まともな取引だったか疑問だ。


裏が鍛冶場の様で、戸が開くと熱気が流れて来た。

「ん?子供が這い出て来たぞ?」

「あぁドワーフの奴隷だ、役立たずで折檻してた所だ!」


ドワーフと言えば、小太りの髭モジャのはずが、這いずり出たドワーフはエルフの子供?って感じで可愛い。

「オヤジ、役立たずなら、金貨1枚で厄介払い俺に売る気は無いか?」


「要るなら連れて行け!無駄飯食わせるのも嫌になった!金貨1枚置いて行け!」


まともに飯を食わせて無いな!抱き上げると予想外に軽かった。


「ミヒロ回復!」


骨折に大小の傷は完治したが、気絶していて目覚めない。

パンツをズラし確認「可愛いのが付いてる、これじゃズコバコパワー分けて遣れん・・・」

「コウさん、穴なら有るじゃない!」


「ミヒロは素晴らしい!目から鱗がボロボロ落ちるぞ!」

確かに穴は有る、唾を垂らせば出来る!!

ズッコンバッコン、ズッコンバッコン

気絶してるので反応が無いが、凄く気持ちが良い!!


「新境地だ!!」


当然通路のど真ん中、道行く男女は一瞬凝視し、全員お尻を隠し顔をしかめて立ち去った。


 ※コウは気持ち良かったようですが、目的は衰弱したドワーフの体力回復なので誤解無き様願います。他意は少ししか有りません。

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ラブラブドールと異世界へ 犬時保志 @ysxyz

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