その4
~~5年目~~
いやだいやだいやだいやだいやだ。
これ以上私は辛い思いをしたくない。。。
だれかたすけて!ここに書くだけなら許してくれるでしょう!?ティタァヌス様!!!
あのご命令をティタァヌス様から頂いてから、たった1週間で、友人の大切さを私は身を持って知った。なにか幻聴が聞こえるようになり、ずっと叫んでいる。ティタァヌス様!お静かになさってください!私はあなたの事を信仰していますから!これ以上は!これ以上は!
教会に行きますから!せめて!せめて年紀だけは書かせてくださいお願いしますお願いします!私はこれを言葉にする。言葉にしないと不安で押しつぶされそうになる。
教会に着くと、いつもの女性が出迎える。「お久しぶりです。だいぶ、救いへと向かわれているようですね?」と、嬉しそうに語る彼女。意味がわからない。わけがわからない。
そもそも、同胞が増えることに喜びを見出すなら、あのご命令はなんだ!?そもそもご命令とはなんだ!?
そんな疑問が解消することはおそらく一生ない。ティタァヌス様を信仰することしか、今の私にはできない。
ティタァヌス様の仰せのままに……
【娯楽を行うべからず】
これ以上、私に何を求めるというのですか!?ティタァヌス様!!!!
私はただでさえ、友を失い、恋人を作ることさえ禁じられ、そして娯楽が禁止!?
友が消えた私は一年中ゲームにアニメに漫画に……娯楽という娯楽に身を任せることで時間を動かしてきた。
さぁ、どうしよう!死ぬか!?私は死ぬしかないのか!?しかしそれだけはやってはならぬ、私の生存本能が叫ぶ!叫んでいる!
殺してくれ!殺してくれ!でも生きたいんだ!
どうすればいいんだ!私はどうするのが正解なんだ!!!???!!!
~~6年目~~
さて、私は逆に冷静を取り戻しつつある。私には唯一暇という二文字のみが残っている。他には時間も残った。他にも沢山。
さて、私はやはり壊れてしまったのだろうな。文章書いていて思う。他には執筆をしていてもそう思うことがある。
ここまで暇だと逆に時が過ぎるのは早いのだよ。学校へは行かなくなった。友のいない学校など無価値。無意味。無利。無価値。無不未。
しかし、暇を持て余す私にとって、この日はある意味待ち侘びていたともいえる。
年に一度のご命令を頂く日だ。暇な私が唯一得ることの出来るイベント。恐怖。不安。そんな感情ですら愛おしい。
教会で出会う彼女は私の表情から何かを察したのか、無言で私を通した。
そのご厚意に預かりながら、私は客間へと向かってゆく。あぁ、歩くという行為ですら愛おしい。私は今、全ての行為に、全ての感情に感謝の念を感じている……。
もしや、これこそティタァヌス様の目指してくださった幸せ!?あぁ、ティタァヌス様……私はあなたを信仰できて光栄です!
あぁ、ティタァヌス様の仰せのままに!!
【家族を持つべからず】
はい!ティタァヌス様の仰せのままに!仰せのままに!仰せのままに!!!!!!!!
仰せのままに!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
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