応援コメント

第2話 高丘親王航海記」への応援コメント

  • 読みましたよ!!

    ◯高丘親王航海記
    歴史ものみたいに真面目な始まり方……と思いきや、存外に闇鍋で、
    澁澤龍彦が建てた民俗学博物館を巡っているかのようでした。
    虚実織り交ぜた東南アジアの古代王国とか、奇獣幻獣とか、
    伝説の中にしかないものの姿を目の当たりにできる親王がうらやましくなったり。

    それと、もうひとつ思ったんですが
    各章で親王が巻き込まれる事柄、ほとんど女性絡み(あるいはそのメタファー)なんですよね。
    しかも必ずスケベな期待を裏切られることになり、旅が進むにつれ、入れ違いに頭をもたげてくるのが病気と死の予感……。

    『西遊記』の結末って、三蔵法師と悟空達が仏になって終わるんですけど、
    同じように天竺を目指す本作も、好きだった女性の幻影を追ううちに煩悩を払い悟りへ至る、親王の心の旅路になっており、
    ある意味、作者が安らかに死を迎えるため気持ちを整理したといいますか、
    己の知識を総動員して己自身のために読んだお経なのかもな、と感じました。

    ◯私の戦後追想
    こんなに博識で機知に富んだ人でも亡くなってしまうんですねぇ……。もったいない。

    文学的な話題になると「作家・澁澤龍彦」が顔を出すところ以外は
    戦中戦後を生きた普通のおじさんの想い出話といった印象で、個人的にはあまりピンと来ませんでしたが、
    ↑を読むにあたり、物語に作者が込めた意図(特に終盤の展開!)を理解するうえでは
    欠かせない副読本だったと思います。

    ご紹介ありがとうございました!!

    作者からの返信

    楽しんでいただけたようでないよりです ٩( ᐛ )و