第3話

「ううん。怒っても仕方ないし。私のせいでもあるし」

 寛容な心の持ち主だ。でも最後の言い方が気になる。

 私はスポーツバッグを持ち直した。

「なんで?」

「他人と関わるの……苦手だし、教室の隅っこで本読んで目立たないようにしてるの私だから」

 そういうことか。それはタイプの話だから、私は気にしなくていいと思うけど。

「それで、川崎さんはどうしてここに?」

「あ、そっちは知ってるんだ」

「うん、川崎さん目立つし」

 言われた動きが止まる。嬉しいような、むず痒いような。悪目立ちなら考えなきゃだし、良い意味であることを祈る。

 私は城ヶ崎の表情や仕草から相手の真意を見つけ出そうとして、やめた。

 話を戻そう。

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