ジュノールの街

 青い空!きらめく太陽!白い砂浜……っ!俺達はジュノールへとやって来たっ!


 ジュノールの街は海沿いの街だからか、レンガで作られた建物が多い。


 まあ、建物のことは置いておいて俺達……というか、主に女性陣達は建物を見に来たわけではないっ!海に入りに来たのだっ!



「クロト!海に行くわよっ!!」


 俺達は宿で部屋を取り、荷物を置くとレイナを先頭に女達は水着に身を包み砂浜を走り出すっ!


「海!海なのだっ!!」


「待て!私をおいていくな……っ!」


 そして、砂浜にたどり着くと……。


「……使用禁止になってるな」


「クロト、なんで……?何でビーチが使用禁止になってるのよぉ〜……っ!」


 半泣きになったレイナが俺を見てくる。


 いや、それは俺に聞かれても……。


「ここまで来ておめおめとは帰れないのだっ!」


「そうだな!なぜ使えないのか責任者に問いただしてやる……っ!!」


 責任者うんぬんはは置いておい、ひとまず俺達はなぜ海で泳げないのか情報を探るべく酒場へと向かうことにした。



 ◆◆◆



「海が使えない理由……?最近ビーチの辺りでカニの化け物が出てきたんだよ……っ!そのせいで俺達も観光収入が減って困ってるんだ……っ!」


 酒場のマスターに聞くと、あっさりと理由がわかった。


 それにしても、カニの化け物か……。魔獣か何かだろうか……?


「その化け物を倒せば海に入れるのっ!?」


「あ、ああ……。そうだな、倒しせたら危険はなくなるからな……。」


 そして、気が付けばレイナが酒場のマスターに食って掛かっていた。


 余程海に入りたいらしい。


「ならボク達で倒すのだっ!」


「そうと決まればさっさと行くぞっ!」


 彼女たちの間で話は決まったらしく、勢いよく酒場を飛び出していった。



 ◆◆◆



「……お前たちはその格好で戦うのか?」


「何か問題でもあるの?」


 いや、あるから言っているのだが……。


 今の彼女たちは水着を着たまま手に武器を持っているだけの格好だ。


 なんでも、倒したらそのまま海に飛び込んだと言っていたが……、大丈夫か……?


「ところで、カニの化け物ってどんなのかしら……?」


「魔獣か何かなのだ……?」


「カニの魔獣か……、普通に考えればアイアンクラブとか、ブレイズキャンサー、ハイドロガザミってところだろうか?」


 リリスは平然とカニの魔獣の名前を挙げているが、おいおい……、どれもヤバイ奴ばかりじゃないか……。


 アイアンクラブは鋼鉄のような甲殻を持っているし、ブレイズキャンサーは鋼鉄をも切断するハサミを持っている。

 ハイドロガザミに至っては分厚い鉄板をぶち抜くほどの高圧水流を放ってくる、どれも危険な魔獣だ。


 そんな水着で大丈夫か……?



 ビーチを歩きながら目的の魔獣(?)を探していると、すぐにそいつは現れたっ!


 そのカニの化け物はアイアンクラブでも、ブレイズキャンサーでも、ハイドロガザミでもなく、カニ型ゴーレムだったっ!


「こいつが例の化け物か……っ!?」


 カニ型ゴーレムは俺達に気が付くと、ハサミにあたる部分から魔力の刃を発生させたっ!


「ん……?こいつどこかで見たことがあるような……?」


 リリスは腕組みをしながらそのゴーレムを見ていた。


「先手必勝……!さっさとコイツを倒していく海で遊ぶわよ……っ!!」


 しかし、リリスのそんな様子を気にすることなくレイナは剣を構えるとカニ型ゴーレムへと走る……!


「たあっ!!」


 レイナはカニ型ゴーレムに剣を振るうが、それは避けられてしまう……。


 こいつ、思ったよりも早い……っ!?


 そして次の瞬間……!


「きゃあぁぁぁーーー……っ!?」


なんとレイナはカニ型ゴーレムの魔力刃で一刀両断されてしまったのだったっ!!

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