第024話 塩かぶり姫
【おつかれ】ITO攻略スレ23【さまです】
1.名無しの攻略者
日本初のフルダイブ型のVRMMORPG「インフィニット・テイルズ・オンライン」通称、ITOの攻略について語ろう。
自由に書き込んでください。
ただし、最低限のルールは守りましょう。
荒らしは運営に狩られます。
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36.名無しの攻略者
フィールドボスが出たみたいだな
37.名無しの攻略者
あぁ、ダイス渓谷近辺で目撃されたらしい
38.名無しの攻略者
ヒカルが討伐に行ったんだろ?
39.名無しの攻略者
そうみたいだな
40.名無しの攻略者
そりゃあ、先越されちまったな
41.名無しの攻略者
しゃーねぇよ
あいつら俺らも知らない情報持ってるし
42.名無しの攻略者
ベータテスターで一番先に進んでいたからな
しょうがない
43.名無しの攻略者
だからと言って腹が立たないわけじゃない
44.名無しの攻略者
だなぁ
失敗すればいいのに
45.名無しの攻略者
あっ、ボス倒されたな
46.名無しの攻略者
しかも、ただのフィールドボスじゃない
ユニークフィールドボスだってよ
47.名無しの攻略者
くぅ~、ヒカルのやつ
さぞかし良い思いをしてるんだろうな
48.名無しの攻略者
全く世知辛い世の中だぜ
49.名無しの攻略者
ちっくしょぉおおおおおおおっ!!
……
……
……
123.名無しの攻略者
うぉーいっ!!
皆、話を聞いてくれ!!
124.名無しの攻略者
なんだなんだ?
125.名無しの攻略者
どうした?
126.名無しの攻略者
何かあったのか?
127.名無しの攻略者
フィールドボスが倒されたのは知っていると思う
128.名無しの攻略者
そりゃあ、ワールドアナウンスが流れりゃな
129.名無しの攻略者
当然だわな
130.名無しの攻略者
勿論知ってるぞ
131.名無しの攻略者
誰が倒したと思う?
132.名無しの攻略者
ヒカルじゃねぇのか
あいつが討伐しに行ったんだし
133.名無しの攻略者
だよなぁ
134.名無しの攻略者
あいつ以外にいないだろ
ただのフィールドボスならまだしも
ユニークフィールドボスなら尚更な
135.名無しの攻略者
だよな
そう思うよな
でも違うらしい
136.名無しの攻略者
なんだって!?
じゃあ、いったい誰が倒したんだ?
137.名無しの攻略者
それは俺も分からない
ヒカルたちが話していたのをたまたま聞いただけだからな
138.名無しの攻略者
何者なんだ、そいつは
139.名無しの攻略者
マジで気になるな
140.名無しの攻略者
ヒカルより強い奴らがいるとは思えないけどな
141.名無しの攻略者
そんなことより今は喜ぼうぜ?
142.名無しの攻略者
何をだ?
143.名無しの攻略者
別に喜ぶことなんてないと思うが
144.名無しの攻略者
そうだぞ?
145.名無しの攻略者
何言ってんだ、あるだろうが
ヒカルが出し抜かれたって最高の祝いがよ
146.名無しの攻略者
あぁあああああああっ
確かに!!
147.名無しの攻略者
言われてみれば!!
148.名無しの攻略者
それもそうだな
149.名無しの攻略者
誰か知らないが、最高だ
ありがとぉおおおおおおっ!!
150.名無しの攻略者
ざまぁあああああっ!!
……
……
……
◆ ◆ ◆
「はっ、はっ、はっ、はっ――」
私はダイス渓谷のポータルの前で目を覚ました。久しぶりの鮮烈な毒死で呼吸が荒くなる。
ポータルの更新をうっかり忘れてた。後で更新しよう。
今はそんなことよりも……、
「やったぁああああああああああっ!!」
思考が歓喜で埋め尽くされていた。
毒に弱くなる呪いの装備と毒無効が対抗し合って、スキルが弱体化したらしい。
私はどのくらい弱体化しているのかを探るため、森にある毒系アイテムを手当たり次第に食べた。
その結果、耐性スキルが毒無効が毒耐性レベル9まで下がっているみたい。
レベルが低い状態でこれなら、ノラのスキルレベルが上がって、より質のいい材料を用意すれば、もっともっと効果が上がるはず。
これは期待できる。
いずれは耐性を無効化することだってできるかもしれない。
――ピピピピピピピッ
検証がひと段落したところで、アラームが鳴る。
ログアウトした私は、諸々の処理を済ませて就寝した。
「おはよ、今日は一段とキモい顔してるじゃん。なんかいいことあったの?」
翌日、家を出た私を晴愛が出迎える。
晴愛には気持ちがすぐわかってしまうらしい。流石私のお母さん。
「良いことあったよ、ママ」
「だから、ママじゃないって言ってるでしょ!!」
晴愛がツッコみのように私の頭をはたいた。
「そんなに怒らなくてもいいのに」
「冥が怒らせてるんでしょうがっ……はぁ、それで、何があったの?」
気を取り直して改めて話し始める。
「耐性を突破する方法がわかった」
「えぇ~!? どうやって?」
「呪いの装備で下げられる」
「へぇ~」
感心する晴愛に、私はゲームにログインしていた間の話を聞かせた。
「冥にもついにフレンドが出来たんだね」
「まぁ」
「ううっ、良かった、良かった」
晴愛が泣き真似をしながら私を撫でる。
やっぱりお母さんじゃん。
「そんなに?」
でも、私は今日まで問題なく生きてきたはず。ここまで心配される覚えはない。
「冥、私以外と全然つるまないんだもん。心配にもなるよ」
「なるほど」
過去を思い出してみると、確かに晴愛以外と何かをした記憶がほとんどない。
それは由々しき事態かも。
「あぁ~、いいなぁ、私も早くやりたい!!」
うらやましそうに叫ぶ晴愛。
毎日のようにゲームの話を聞かされたら、そういう気持ちにもなる。そこで忘れていたことを思い出した。
「あ、ごめん。一緒にプレイできないかも?」
「え、なんで!?」
私の言葉を聞いた晴愛が、こっちを向いて目を大きく見開いた。
「全身毒になったから晴愛死んじゃう」
「えぇ~!? …………分かった。それなら私も耐性とる!!」
本人が言っていたけど、普通のプレイヤーはリアリティ設定最大で100回も死ぬのは難しいらしい。相当厳しいはず。
「無理しなくても……」
「いいの。私たちの友情はそのくらいで負けたりしないんだから!!」
どうやら晴愛の決意は固いみたい。こういう時は何を言っても聞く耳をもたないので、思い通りにさせよう。
「そう。応援してる」
「うん、待ってて」
学校から帰ってきた私は、今日もゲームにログイン。継続的な死亡生活に対する希望が見えたことで最高の気分。
「ふんふふん、ふんふふん、ふんふんふーん」
生産ギルドに寄ってある程度のお金をおろした後、スキップして鼻歌を歌いながら雑貨屋へ。
「いらっしゃい」
「塩ください」
「あいよ」
塩を買えるだけ買った。
宿屋に部屋を取り、復活ポイントして登録。
街ではポータルだけじゃなくて、宿屋とかの安全地帯も復活ポイントとして登録できる。
ここでなら誰にも邪魔されない。
早速お風呂場に行って、浴槽の中で買ってきたものすごく大きな塩の袋を頭の上でひっくり返した。
「き゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ」
全身に凄まじい激痛が走った後、私の意識がトんだ。
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